【アベノミクス】更なる金融刺激が世界の潮流

自民党の公約は「名目GDP目標」として海外では解釈されている部分があるようです。
日本の当局者が経済刺激にすごーく意欲的であるかのように思われているようですが、これはどうでしょう(^^)
安倍総裁が特別に意欲的であり、国民生活に責任を感じていらっしゃるというのが実情だと思いますが…
この記事にあるような、「バーナンキ氏が臆病」などという評価は日本から見ると信じられませんねぇ。
Think the Fed has been too timid? Check out Britain and Japan. - The Washington Post
日本の大半の政治家や日銀は国民生活なんぞそっちのけできたというのに。
アメリカを見てもイギリスを見ても、広く共有されはじめている認識は、「更なる金融刺激が必要だ」ということ。
アメリカもイギリスも日本とは比較にならないくらい金融刺激をしていますが、もっとやるべきだという見解が出てきているのです。
これは政治家が言っているのではなく、世界的な経済学者や金融当局者が発言していることです。
その潮流を安倍総裁は正しく捉えています。

  • バーナンキ氏と連銀は前例のない試みをしてきたが、経済を良くするためにもっとやれという経済学者たちがいる。
  • たとえば名目GDP目標を唱える学者が存在する。
  • 名目GDP目標とは次のようなもの。
  • 完全雇用が実現していた時の名目GDPを基準にする。
  • その名目GDPが現在まで続いていたらどれほどの水準の流れになっていたかを想定し、目標とする。
  • 中央銀行総裁は目標達成のために可能な手段をすべてとると宣言する。
  • 資産の購入、経済に貨幣を投入するなどを目標達成まで継続。
  • そのために幾分か高いインフレ率を許容することが必要。
  • イングランド銀行の新総裁になるマーク・カーニー氏は名目GDP目標に関心を持っている。
  • カーニー氏:「経済とインフレ率を上げるために金融緩和が一層必要である」
  • カーニー氏:「名目GDP目標はより強い刺激を経済に与えると思う」
  • イギリスの国家財政委員会も名目GDP目標に関心を持っている。
  • 日本も名目GDP目標に関心を持っている。
  • バーナンキ氏が臆病だと思う人はイギリスと日本に注目だ。

【安倍自民】伸縮的インフレ目標と名目GDP目標

名目GDP目標は、更なる金融刺激をもたらすという点で注目を浴びている手法であって、私も関心を惹かれて入門的文章を読んでみました。
NGDP targeting, the hot new monetary craze that just might end the downturn - The Washington Post
読んでみた感想としては、「日本のリフレ派の主張とそれほど懸隔がないな…」というもの。
名目GDP目標の唱道者は「インフレ目標の代わりに名目GDP目標を採用しよう」と呼びかけていますが、名目GDP目標による経済回復の経路は私が今まで勉強させてもらってきた岩田規久男教授の主張とほとんど変わらないものです。
どうしてこんなに違和感が少ないのだろうと思って「デフレと超円高」を読み返してみました。

デフレと超円高 (講談社現代新書)

デフレと超円高 (講談社現代新書)

伸縮的インフレ目標を採用する目的として、「名目GDPを4〜5%に維持すること」が挙げられています。
つまりインフレ率+実質GDPを4%〜5%に維持する、ということが最初から目標に置かれているのですから、名目GDP目標の内容を読んで違和感がないのも当然といえば当然です。インフレ率以外のパラメータも日本のリフレ派は視野に入れてきたということです。
アベノミクスを実現させる際には、私は日本的伸縮的インフレ目標を設計することを期待します。
一口にインフレ目標といっても、そのあり方は単一ではなく、日本の実情に合わせて、世界のインフレ目標運用の経験をふまえて、さまざまなパラメータを見ながら調整して欲しいと思います。
そして、その内容を初めから明確に提示して国民とのコミュニケーションを重視するべきだとも思います。
金融政策についてのデマを反対勢力はあらゆる方向から大量のウソを混じえて攻撃してきていますから、正しい金融政策の内容をCM、ネット、出版物、講演など多くのコミュニケーション媒体を用いて国民に知らしめる努力を求めたいですね。

「経済通」を匂わせるブロガーは信用できないの法則

自分を経済通のように見せかけているブロガーが揃いも揃って適当なので驚くわけですが、これではマスコミと変わりません。
経済通のように見せかけるとどうも、講演だの出版だので仕事になるらしく、出任せでお気楽にいきましょうという者同士で知名度を融通しあっているようです。
金融ならぬ「虚名融」でしょうか。
わかりにくいか(^^)

経済通に見せかけた金融屋のロイター記事を、「経済通」ブロガーがツイートし、それをさらに「経済通」ブロガーの名前を売ってやり続けている「アルファブロガー」がリツイートするという非常にわかりにくい状況で恐縮ですが、無知の三連星状態で驚かされます。
元になっているロイター記事では最近の安倍総裁の提案を否定しつつ、「それは裁量的なマクロ経済政策だ」と言っているのですが、
インフレ目標は目的の裁量を許さないための政策なのですが
専門家づらして何を言っているのこの人は。
引用している二人のブロガーも、インフレ目標のどの辺が「裁量的」なのか説明できるのですかね。
或いは説明する気はあるのですかね。
結論だけ言い放つのは誰でもできますから、自信があるように見せかけるだけでは本物である証拠にはなりませんよ。

みずぽたんも財政金融政策に賛成

見なおしたよー。

40年間続く円高を為替介入や金融緩和によって円安誘導するばかりではなく、身近な公共投資を通じて需要を喚起、さらに中小企業の資金繰り支援や雇用対策を拡充し、内需主導の経済に転換していくべきです。
http://diamond.jp/articles/-/29268?page=2

松尾匡教授や高橋洋一教授も言うとおり、欧州では左翼がリフレ政策を提示しますからね。
欧州左翼はこんなに「金融右翼」だぞ〜(笑)
前回の続き──豪州・NZも労働党は景気刺激LOVE
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20121214/dms1212140710001-n1.htm
みずぽたんの意見は内需主導云々はともかくとして、まずは常識的な意見ですね。
内需どうこうっていうのは良く話題になるのですけれども、輸出を増やすメリットとは対立しないのですよ。
日本で輸出が重要になるのは日本人が貯蓄好きだからですよ。
生産したけど収入は貯蓄した場合、生産物をどうしますか?
輸出するんじゃない?
あと、普通の為替介入は変動相場制の下では効果ないので必要ないです。金融緩和を充分にやれば自然に円安傾向になります。
ともあれ、左翼政党がまともな経済政策を提示するなら日本社会はより良くなっていくでしょう。
他のテーマがどうあれ、経済政策が経済学の成果をふまえた中身のあるものであるなら、右の政党であれ左の政党であれ人々の選択肢が増えた上に良い経済環境が維持できるのですから。
あとは日本共産党ですね。
欧州では共産党もリフレ派なのですから日本共産党にもレジーム・チェンジをお願いしたいところです。