ユーロ圏の追加緩和

追加緩和を発表したらユーロ高が起きているという面白い現象です。
けっこうものすごいユーロ高で、市場の失望ぶりを表しています。
アメリカの株価が下がったり、円高が起きていたりもするので、ECBの動きが強い影響力を持っていることが分かります。日本としてもユーロ圏にしっかりした金融政策をしてもらう方が良いというわけです。
今回の「追加緩和」は、ECBが地方債を買うようにしたり、準備金のマイナス金利を拡大したり、緩和期間を半年伸ばす、というものでしたが、ユーロ高になっているということは、市場が「全然足りない。期待はずれ」と判定しているということになります。
つまり、市場に織り込まれた期待を読み損なうと、たしかに追加緩和しているのに、「金融引き締め」とみなされてしまうということであり、追加緩和をする際には、市場の期待(予想)を見極め、それに沿う形の金融政策を行わないと逆効果になるということだと思います。
そうなるとますまず、市場予想を利用した金融政策の重要性がわかってきます。
名目GDP目標を本当に導入するなら、予想市場を創ることが必要です。
日銀や民間エコノミストの予想だけで金融政策を行うと、今回のECBの失敗と同じ失敗をしてしまう可能性があります。