緊縮財政でもやっぱり回復するアメリカ

アメリカの雇用統計が好調で円安が発生し、株価が急上昇しております。
円安と株高は続いてもらわないと日本の実体経済に好影響が出ないので、一時的な好転を喜んでも仕方ないのですが、折にふれ指摘しなければならないのは、緊縮財政下のアメリカ経済が順調に回復して、ついに構造失業率とよばれる地点にまで至ったということであります。
リーマンショック以降だらだらと財政拡大を続けておきながら、アベノミクスが開始されるまで景気回復できなかった日本とは対照的に、2010年から早くも財政を引っ込め始め、2013年からはかなり強い緊縮を続行しているアメリカは、金融緩和政策の下、何の問題もなく回復しています。
アメリカの財政収支の推移 - 世界経済のネタ帳
このようなデータは誰でも参照できるのですから、人の言い分を鵜呑みにしないで、自分で調べるのが重要ですね。
最近では、「財政を使わないと景気回復できない」という何の根拠もない意見が撒き散らされていますし、「名目GDP水準目標でも財政が肝」という失笑ものの論説が書かれたりしていますが、我田引水もいいところであります。専門家という肩書きは信用できないとよく分かりました。
名目GDP水準目標において財政が肝であるなら、毎年財政拡大しなければいけませんし、それを永久に続けなくてはなりませんし、しかも、どれくらいの財政をどのように出すと、どれほどの名目GDP拡大効果があるか分からないのに目分量で財政を拡大させなければならないということになりますから、キチガイ沙汰であります。
ああいう論説を書く人は読者を馬鹿にしているんでしょう。