歳出のGDP比と経済回復(日米英の比較)

このところ財政推しの人たちは、専門家・非専門家とわず、非常に適当な言説を弄していて、いかにリフレ賛成派といえども、ウソをつくのは許されないと思いますので、事実をあげて理屈ないし意見に反対しておきたいと思います。
「財政を使わなければ景気回復できない」という考え方を根拠をあげずに繰り返し主張し、既成事実化してしまおうという、非常に邪まな手法をとる人が多く、何がそうさせるのだろうと動機のところに強く関心を惹かれるのですが、簡単に分かる客観的事実として、財政は景気回復に必要ではありません。
リーマンショックに際して一時的に財政拡大したイギリスとアメリカは、2010年ころから早くも財政を減らし始めましたが、日本は出しっぱなしです。
日本で歳出のGDP比が下がっていないということは、アベノミクスによって経済が拡大したにも関わらず、さらに財政支出を増やしたということを示しています。どこが緊縮財政なのでしょうか?
イギリスの歳入・歳出の推移 - 世界経済のネタ帳
アメリカの歳入・歳出の推移 - 世界経済のネタ帳
日本の歳入・歳出の推移 - 世界経済のネタ帳
一方で、経済成長率。名目も実質もご覧下さい。
イギリスのGDPの推移 - 世界経済のネタ帳
アメリカのGDPの推移 - 世界経済のネタ帳
日本のGDPの推移 - 世界経済のネタ帳
アメリカが緊縮財政にも関わらず順調に経済を伸ばしていることは繰り返し述べてきましたが、ちまたでは「緊縮財政、特に消費増税によって調子が悪くなってしまった」と言われてきたイギリスのGDPの様子もご覧下さい。
どの辺が調子悪いのでしょうか?
なめらかーに上昇していますね。
一方で日本のグラフのガタガタぶりを見てください。
唯一財政を出し続けながら、この体たらく。
アベノミクスで金融政策が始まるまで回復できなかったことがよくわかります。
2012年のデータを見るときには、2012年9月からは安倍総裁の誕生で資産市場の好転が始まっていたこともお忘れなく。
財政推しの人たちは、理論や意見以外に、財政を肯定できる根拠があるのでしょうか?