TPPってアメリカの思いのままじゃなかったのか?

いつものことですが、三橋貴明や中野剛志の言い分と現実は真逆の様相を呈しております。
TPP交渉は、日本がゴネまくっているせいで前進できないでいます。
良識的経済学者や官僚出身識者は、「きっと日本が話をこじらせるだろう」と予想していましたが、その通りになりました。三橋・中野は又もや大ハズレ。
報道を見ていて驚いたのは、農業分野でアメリカが強硬姿勢をとっているから膠着している、というニュアンスがあったこと。
牛肉・豚肉の関税引き下げに米国が固執した、といった表現が見られますが、TPPって自由貿易交渉じゃなかったのかよ、と非常に呆れさせていただきました。
日本が異常なのは、あとからTPPの参加交渉に臨んだのにも関わらず、その際に誰からも強要されず自発的に向かったのにも関わらず、「関税の引き下げはイヤだ」とか言い出す点なんですよね。
アメリカ人も訳わからんでしょう。
だからアメリカからは、日本抜きでやってしまおうという声も上がってきています。

2014年 4月 04日 09:26
米議会、TPP交渉に悲観的見方―日本抜きの合意も
ウォール・ストリート・ジャーナル
 同委員長は公聴会後記者団に対し、「日本が合意するつもりがないのならば、日本抜きで交渉を進める時が来ているのかもしれない」と語った。日米両政府は来週東京でTPPに関する実務者協議を開催する。日本のメディアによれば、フロマン代表はオバマ大統領の訪日前に、TPP交渉の打開を図るために訪日する可能性がある。これについて、USTRの報道官はコメントを避けた。

TPP参加交渉前から、良識的な識者からは「アメリカは日本のTPP参加をむしろ嫌がる」という指摘があり、ここもその通りです。
三橋・中野の大外しはここでも健在。
安部首相はこんな見解。

TPP「数字超えた意味」 首相、妥結の重要性訴え
2014.4.18 09:32 [TPP]
 来週の日米首脳会談を控えて大詰めの日米協議に関しては「(TPPは関税の)数字を超えた意味がある」と発言。TPP妥結に向け、日米が足並みをそろえる重要性を訴えた。

最近の報道で、コメは聖域のまま保つ、という方向性が伝えられましたが、それを聞いて私は、「コメ農業の頽廃はTPPでも変わらないな」と考えて失望しましたし、ミニマムアクセス米を増やすことで、誰も食べないムダなカビ米を税金でさらに保管することになるのかよ、とウンザリしたわけですが、安部首相の目論見は単なる通商交渉としてでなく政治的な意義にあるということのようですから、そういう観点もあるのかな、とは思います。