農業破壊政策をさらに推進する自民党

戦後農政の大転換「減反廃止」は大手マスコミの大誤報――キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・山下一仁 | DOL特別レポート | ダイヤモンド・オンライン
要約させていただきます。
農協がレントシーカーである点について。

  • 農協は、経済事業・金融・保険の三事業を行う。
  • 経済事業とは、農家の生産物の販売、肥料や農薬を農家に販売するもの。
  • 農協が米価を上げたがる理由は、コメ販売手数料が高くなるから。米価に比例する方式。
  • 減反によって米価を高くつりあげたせいで、効率の悪いコメ兼業農家が乱立している。しかし、JAにとってそれは都合がよい。
  • 兼業収入は農業所得の4倍あるが、JAの銀行部門に預金してもらえる。
  • 農地の転用利益も年間数兆円あるが、これも銀行部門に預金してもらえる。
  • これらによって、JAの銀行部門は国内第二位のメガバンクである。つまり、減反で米価をつりあげていることによって、このような発展をとげた。
  • 農協がTPPに反対するのは、関税がなくなって米価が下がるのを恐れているから。


自民党減反廃止を装いながら、実際には減反強化を目論んでいることについて。

  • 「生産目標数量」が無くなることを、マスコミは減反廃止だと思い込んだが、もともとこの数量には強制力がない。
  • 「水田活用の直接支払交付金」が減反補助金なので、これがある以上、減反はなくならない。
  • 民主党政権は、減反補助金に加え、コメ作付面積への戸別所得補償(「米の直接支払交付金」)もつけた。つまり、補助金を二重にした。
  • 戸別所得補償がなくなっても、減反補助金がなくなるわけではないので減反はなくならない。
  • 自民党がやろうとしているのは、主食でないコメの作付への補助金の強化。こんなことをすると、主食用のコメが減り、米価は逆に上昇する可能性がある。要するに減反の強化である。
  • コメの価格を高い順に挙げると、主食用⇒加工米用⇒米粉用⇒飼料用である。
  • 日本政府は補助金によって主食用の価格をつりあげ、それ以外のコメの価格を下げている。
  • しかも、主食用のコメが余った場合には飼料用に転用すると農水省は文書に記している。


平たく言ってしまえば、私たちは高いコメを買うしかないシステムの中にいるのです。
一部の社会集団に貢がなくてはならない仕組みが規制によって構築されています。
周りをよく見回して、「顔のない敵」を理解していきたいものです。