何を規制改革するかが問題

規制か規制緩和か、という二項対立に無理やり持っていくのが詭弁家の仕事。
規制するべきものと、するべきでないものの区別に頭を使わなくてはならないところに、規制そのものをイデオロギー的に擁護しようというのが三橋貴明の欠点。
何らかの事情で結論が先にあり、それに合う理屈を調達しようとするので所々に綻びが生じてしまうのは中野剛志と同様。

89年の日米構造協議以降の建設産業の規制緩和(公共事業の一般競争入札化など)、法改正(独占禁止法の強化)、そして97年以降の公共投資削減により、日本の土建産業は、
「供給能力を高める反対側で、需要が縮小する」
 という苛酷な環境下に置かれました。結果的に、建設業許可業者数は99年に60万社でピークを打ち、すでに47万社にまで減少してしまいます。雇用者数も130万人以上も減りました。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11657328272.html

規制緩和が一因になって土建産業が衰退した、という主張。
このエントリは以下のように結ばれています。

日本列島の端から端まで、国民が生業を維持し、いざという時は助け合う。非常事態に助け合うことで、国民が「繋がっている。
 これが「日本という国」です。
「そんなことはない。田舎で土建企業がなくて危険なら、都会に移り住めばいい。その方が生産性が高まり効率的だ」
 などと思われた方は、一度でいいです。時間をわたくしに3分だけ下さり、以下の動画をご覧くださいませ。
【祝!九州 九州新幹線全線開CM180秒 】
http://www.youtube.com/watch?v=UNbJzCFgjnU
 わたくし達が済み続けている国、「日本という国」がいかなる国なのかが、きっと理解できると思います。

このしめ方はちょっと不思議な感じで、分かりにくいものです。
察するに、ロジックで説得力をもたせることは難しいと判断し、パトリ的情緒にはたらきかけて支持を得ようとしたのではないでしょうか。
ただ、笑ってしまったのは最後にもってきたのが九州新幹線の動画なんですよね。
これもおそらく「新幹線みたいな大規模事業をやれよ」という意味なのでしょうが、新幹線ってJRじゃないですか。
JRって成功した民営化の例だと思うのですが。