イギリスのグレイハウンド競走の実態

http://www.greyhoundaction.org.uk/igreyhound.html

何万もの犬が、イギリスのグレイハウンド・レース産業によって毎年処分されている。レーサーになる能力が足りない、或いは能力が衰えたからという理由で。
イギリスでは毎年、2万5000頭ものグレイハウンドが登録される。登録されることもなく殺処分される犬も入れれば、この数字は何千も多くなる。
これらの犬の大半はアイルランドで繁殖されるが、多くはイギリスのグレイハウンド・レース産業のためのものだ。
何千ものグレイハウンドの仔犬が、レース能力が足りないという理由でイギリスでは殺処分される。我々はその数を、一万頭であると推測している。
レーサーになることができる犬は、現役の間ずっと苦しむことになる。イギリスで走るグレイハウンドは毎年、12000件の怪我を被り、レース犬の10%は怪我をした状態で走る。つま先の怪我、筋肉断裂、じん帯損傷、関節炎などは日常茶飯事である。
毎年少なくとも1万頭のグレイハウンドが、2歳半でイギリスでのレース生活を終える。この原因は怪我か、レース能力の低下と判断されることによる。
引退犬のうち、よい里親を見つけられるものはほとんどいない。何千もの普通の犬がよい里親を見つけられないという理由で殺処分される状況から考えれば、引退したグレイハウンドが殺されるのも驚くようなことではない。
イギリスのグレイハウンド・レース産業は、毎年500〜1000頭の引退グレイハウンドが殺処分されることを認めている。これだけでもグレイハウンドのレースを禁止する理由としては充分だが、実際の殺処分数は遥かに、遥かに多いものであり、6000頭にも及ぶ。
元レーサーのグレイハウンドの多くは単に捨てられ、非常にたくさんの犬が殺されるが、その方法はしばしば、溺死させる、毒殺する、といった極めて残酷なものになる。というのは、オーナーやトレーナーは、獣医師によってグレイハウンドを殺処分する費用を払うつもりがないからである。
引退グレイハウンドを射殺するトレーナーのニュースは増加している。
グレイハウンド・レースに関わる人の全てが残酷であるとか無神経であるとかいうつもりはない。犬達を寿命まで面倒を見て愛情を注ぐオーナーやトレーナーもいる。しかし、レース場にいたるまえに処分される何千もの犬や、レーサーになった何千もの犬達のうちでは、そのような扱いを受ける犬はほんの僅かである。
毎年、何百頭もの望まれないグレイハウンドがスペインに送られる。酷い環境でのレースや狩猟、うさぎ追いに使役されるためだ。狩猟に役立たないと判断された犬は、残虐な方法で処分されることがしばしばある。吊るすのが猟師たちのお気に入りのやり方だ。
グレイハウンドたちへの過酷な扱いや殺害をやめさせる唯一の方法は、グレイハウンド・レース産業を廃止することである。
1993年に6つの州でレース産業が廃止された米国では、人々がレース場に足を運ぶことや賭けることをやめたため、資金と人々の支持を失ったレース産業が徐々に終わりを迎えつつある。興味深いことだ。