東大理3でも間違う問題【和田秀樹】
丸暗記で受験を突破しようという、本質的知性否定派の代表的人物である和田秀樹が、なぜか畑ちがいの小幡績支持を表明し、ものの見事に間違った見解を述べています。
小幡績の考えに賛成すれば、それは即ち間違っているのだから当然のことであります。
小幡の主張は理屈上の間違いどころか、単なる事実誤認がいくつも見られるような代物なので、ああいうものを頒布してよいとは思えないのですがね。
リフレはやばい | 和田秀樹オフィシャルブログ「テレビで言えないホントの話」
この本の影響もあって、私は、今回のアベノミクスによる株高、円安もバブルになるだろうと思っている
【略】
これを素直に喜ぶ人は多いだろうが、小幡氏も指摘しているように、バブルというのは、その進行中は、金融市場だけのバブルなので、その関係者だけはボロ儲けはできるが、実体経済には何ももたらさない。
企業や銀行は株式を保有しているため、株高になると企業や銀行のバランスシートが改善します。
これは企業の設備投資を容易にし、銀行の貸出機運を高めます。
円安になると輸出企業の業績が改善することは、既に多くの方々が目の当たりにしたことでしょう。
リフレーションがまだ序の口の段階で、自動車企業だけで3000億円の増益と言われています。
リフレーションを行うと、インフレ予想⇒資産市場の好転⇒実体経済の好転、という連鎖が発生します。
しかし、バブルであって、実体経済が改善しないし、人々の賃金も上がらないから、必ず崩壊する
バブルが予見出来る人は、FRB議長になることをお薦めします。
「魔術師」と言われたグリーンスパン前議長ですら、「バブルは崩壊してみないとバブルと認識することはできない」と言っています。
また、「バブルだから賃金が上がらない」というのも妄説であって、日本のバブル期には、業種にもよりますが、ボーナス袋が机に立つくらいにもらっていた人たちもいましたよね。
多くの人々の金回りが良かったからこそ、あの時代の狂騒があったわけで、単純にアルバイトの口が沢山あったことからも、バブルが発生すると賃金が上がることは事実です。
が、注意しなければならないのは、リフレーションがバブルにつながるとは限らないということです。
アメリカでもイギリスでも、貨幣量が3倍以上にもなる金融緩和を行って来ましたが、「まだ足りないのでもっとやる」というほど経済の好転は遅々としています。
バブルどころの話ではありません。
株の値段が上がっても、金持ちしか儲からないし、企業にしても、金が借りやすくなるくらいの話だから(金融機関の含み益は増えるが)、賃金上昇にはつながらない
先にも書きましたが、株高になると企業による設備投資が行い易くなるので、単純に仕事が増えます。
普通の人の収入が増えるということです。
企業が金を借りやすくなり、金を借りてなにもしないなどという不思議なことは起こりませんのでご安心ください。
本書も藻谷氏(この人も私は評価している)も素晴らしいが、解決策があいまいだ
正気なのでしょうか(^_^;)
藻谷氏の説は単純なデータを参照するだけで破綻するのですが、東大理3⇒東大医学部出身でもデータを当たらないのでしょうか。
それでも理系ですか。
私がいうように、法人税も所得税も高くして、経費を大幅に認めることで、企業や個人に金を使わせる(企業にしても人件費が高いほうが得になる)、相続税を上げて高齢者に金を使わせる(藻谷氏は高齢者が金を使うことが景気回復のカギとは言っている)ような具体策が必要なのではないかと思うが、彼らに言わせたら、それも当座しのぎなのだろうか?
増税にばかり賛成するのは、増税したがるポジションのご学友がいらっしゃるからなのでしょうか。
要するに、金融市場でなく、実体経済に金を吐き出させる政策が必要だと私は考えている
それがリフレーションなのですけれども、あなたが理解できないだけなのですよ。
やっぱり丸暗記で受験突破しても使いものにならないのですね。
リフレーション政策が物凄く難しい内容であるとは思わないのですけれども、人々の常識や直感に反する部分があるのは確かです。
常識や直感に存在する間違った部分を修正して学ぶ態度が無い人にとってはリフレーションは理解し難いものなのかもしれません。
ラーニングが得意でもアンラーニングが不得意な、或いは自分たちの学識を相対化されることを嫌がるような病的プライドの持ち主たちには納得出来ないことなのでしょう。
そう考えるとアベノミクスを提唱しはじめた安倍首相の本質的知性こそ見習うべきものなのだということがわかります。