ドイツはフリーライダー

フリーライダー」というと、「イージーライダー」とか「ライダーズソング」とか「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」といった言葉を連想してしまい、何となくカッコ良く聞こえてしまいますが、良い意味ではまったくありません。
フリーライダーというのは「タダ乗り野郎」ということですから、本来支払うべき対価を払わずに利益だけ貪る人間のことを言います。

「近隣窮乏化」のウソ

ドイツのアホがこのところ日本の金融政策を批判していますが、経済政策の専門家であるはずの財務大臣や中銀理事がポジショントークに邁進しているのは余程うしろめたいのでしょう。
日本の金融緩和政策をドイツや韓国が「近隣窮乏化」などと誤った非難を浴びせていますが、世界が同時に金融緩和するとむしろ世界的に景気がよくなるという有力な見解があります。
2010-10-13
The exchange rate fallacy: Currency war or a race to save the global economy? | The Market Monetarist
非常に不本意なことながら、アメリカと日本の金融緩和は、本来ドイツが果たすべき役割を肩代わりしているという見方もあります。
アメリカと日本が金融緩和⇒通貨安⇒高利回りを求める投資家は南欧の資産を買いに、というプロセスが発生してユーロ危機が緩和されているというのです。

トラブルの元凶、ドイツ

ユーロのような「現代の金本位制」といったバカげたものが作られた原因は一説には「ドイツをおさえるためだ」と言われていますし、南欧でバブルが発生したのもドイツが余った資金を南欧への土地投資につぎ込みまくったからですし、ユーロ危機の解決がダラダラ引き伸ばされているのもドイツが「統合も嫌だし分裂も嫌だ」「財政援助も金融緩和も嫌だ」と言いながら自国の低インフレ率*1を利用して儲けまくっているからです。
南欧の人々の生活を破壊しながら。
多くの学者たちが「ドイツは何をしたいのかわからない」といっていますが、合理的な観点から見るのでなく、「エゴイズム」という観点から解釈すれば簡単にスジが通ります。
要するにドイツは「損したくない、責任を取りたくない、他がどうなっても知らんが自分たちは得したい」と言い張っているだけです。
そういうことをしているから、ジョージ・ソロスから「経済を利用してドイツ帝国を創ろうとしている」と言われるのです。
ドイツが日本の金融緩和に屁理屈でケチをつける理由は、日本の製造業が復活して有力なライバルになるのを嫌っているからです。
つまり、ドイツにとって日本は南欧と同様に踏みつけにする対象でしかありません。
彼らの本音は「日本がどうなろうと知ったことではないので、いつまでもデフレで沈んでいってほしい」ということなのです。
「変動相場制のもとでは金融政策は自由」「中央銀行の独立性とは手段の独立性に過ぎない」という知識をドイツの財務大臣や中銀理事が持っていない筈がないので、彼らは意図的にウソをついて日本の邪魔をしようとしています。
それに乗って日本の復活の足を引っ張ろうとしているのが、どういうわけか日本のマスコミでもあります。

独連銀総裁「日銀の独立性危険に」、通貨安競争に警告
2013年 01月 22日 07:57
[フランクフルト 21日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのバイトマン独連銀総裁は21日、中銀の役割を拡大し大胆な緩和政策を迫ることは、各国の競争的な通貨切り下げを招くリスクがあると警告した。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE90K05920130121

*1:賃金の上がりにくさを利用して製造業の競争力を確保