やまもといちろうが自信満々に間違う

切込の得意技は、「非常にさりげなく当たり前のようにデマを混ぜる」という手法です。
今回もまた、その優れたレトリック力を人々の判断力を低下させる方向に使用。
倫理的に問題が有る人は口先で良さそうなことを言っていても、善いことはできません。

夏野剛さん、新年早々選民思想を切々と語り低所得者を煽る
【略】
夏野剛氏による匿名論と格差論
http://togetter.com/li/433168
 概ね意見としては私は賛成でありまして、比較的数多く匿名の罵倒コメントが来たり、訳の分からない議論を吹っかけられることはありますので、実名匿名云々のところは感覚としては理解できます。また、格差論や投票の資格のところも、ちゃんと考えもせずに矛盾する政策を支持する人には投票する権利なんて本来要らないんじゃないのという気もしないでもありません。夏野さんも例示している通り、増税は反対だけど福祉削減も反対とかいう馬鹿は投票以前に知性を疑うのは仕方のないことです
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2013/01/post-9381.html

問題になるのはイタリック体の部分ですが、まずここで言う「福祉」が何を指しているのか明らかにしていません。
このへんが百戦錬磨のアルファブロガーらしく、適当なことを書いていながら反論されにくい、大まかに賛同されやすい、ざっくりと小気味よい語り口をしています。
何を指しているのかわからないので仮にこの「福祉」が生活保護だとしてみると、「不況下の増税反対、生活保護減反対」という主張はバカでもなんでもなく、「緊縮財政による名目GDP低下を防ぐ」という目的からすると、実にスジの通った考え方です。
やまもとの意見は、好況か不況か、長い期間なのか短い期間なのか、という区別もなしに、まぁもちろん意図的にそうしているわけですが、印象付けによってリフレ政策を貶す周到なものです。
リーマン・ショックの際には、「これは日本にはどうってことない」という、与謝野と瓜二つの意見をやまもとは述べていましたから、基本的にマクロ経済には疎いようで、それなら黙っとけと思うわけですが、詳しくないことにも口出しして「ああ、マクロ経済にもお詳しいのですね。なんという幅広いご見識でしょう。」と素直に信じてしまう支持者を増やすことが、言論芸人としての財産になるらしく、同じ様なことをする人間がマスコミにもネットにも大勢いる、という批判はさんざんしてきたことでもあります。