徴兵制うんぬん

維新の会が徴兵制に賛成であるという言説がデマッターでよく見かけられますが、私自身は確認できていないのでどうとも判定できないのですが、この話題にも違和感を多々感じる点があって、それは「9条改正=徴兵制」といった主張です。
9条改正派に徴兵制賛成の人がいたり、9条擁護派に徴兵制反対の人がいたりしますが、彼らが軍事に詳しいとは到底思えないです。
中にはミリオタを自称していながら徴兵制を「危惧」する人がいたりして、私などは「本当にミリオタなのかな」と疑問に思います。

徴兵制は無くなっていく傾向にあって、それは決して「人道的な理由」ではなくて、軍事的に有用性が低下しているからです。
徴兵制度 - Wikipedia
私は決してミリオタといえるほど軍事に詳しいわけではありませんが、この程度のことは知っていますし、リンクにあげたようにネットを検索するだけでその程度の情報は出てくるのにもかかわらず、徴兵恐怖症の人たちはひたすら空想上の脅威に自らを晒しているわけですね。
ひどい例になると、「原発作業員が不足するから徴兵制を敷いてフクシマで作業させるつもりなのだ!」と恐慌に陥る人々も散見されますが、こういう人はディストピア小説を書く才能があると思います。結構面白い、わくわくする設定です。
原発作業させるために多額の費用と社会的損失を発生させる徴兵制を、国民がウンと言わなければ改正できない新憲法を通じて実現させるというのはとてもめずらしい発想です。
そういう苦役を自発的に引き受ける国民は完全にマゾなので、それはそれで或る種特異な興奮をもたらす社会環境になっていくのだと思いますね。
その倒錯した想像力には皮肉ではなく感心させられます。どういう精神活動をしている人たちなのでしょう。
また、これは国会議員にもいる困った人達が仰ることなのですが、「若者の教育のために徴兵制を導入せよ」というお馬鹿な意見もあります。
非常に不可解なのは、軍隊は教育のために存在する組織ではないのに、教育のための組織としては「学校」があるのに、どうしてわざわざ徴兵制を敷くのでしょうか?
学校を厳しくしたらいいんじゃないの?
そういう意味では安倍総裁が日教組を批判しているのは正攻法中の正攻法であって、左翼が教育現場にはびこっている状況を排撃することが「だらけた若者」を躾なおすためにとるべき手法です。
「教育のための徴兵制」を主張する人はむしろ、教育を壟断している勢力と戦うことから逃げているのではないですか?
安倍総裁の意見に反対したり、安倍総裁を批判するのは勿論自由ですが、憲法改正にせよ日教組批判にせよ、常日頃から堂々と主張されているその態度については敬意が払われるべきだと思いますよ。
世の中には自分の真の意図を隠して、ドサクサ紛れにそれを実現しようとするセコい人々が大勢存在しますが、そういった人々に比べたら安倍総裁は正面から論議を挑むあたり、フェアな政治家です。
安倍総裁に反対するなら、中傷や、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」式に政策をとにかく否定、調べもせずに否定するのではなく、まともな反対ができるような素養を積んで発言することによって賛同者を増やしていくべきなのだろうと思いますよ。