デマ拡散係:神保哲生

先だって宮台真司萱野稔人によるウソ満載の動画を紹介しましたが、彼らの同類項・神保哲生もここぞとばかりにデマ拡散に協力しているようです。
普段は公平な立場を装っていますが、選挙で彼らの気に食わない政治家が有利な情勢になると本性が丸出しになってしまいます。
実にみっともないことです。神保哲生宮台真司にとって真実はどうでも良いことなのでしょう。とにかくイデオロギー上の敵は否定したい。それが本音です。
デマ拡散の舞台はお馴染みBLOGOS。嘘つき同士で相性が宜しいようで。

日銀は日本をデフレから救えるのか
ビデオニュース・ドットコム
【中略】
自民党みんなの党は、政府の言うことを聞こうとしない日銀総裁の人事への介入を示唆したり、日銀の独立性を担保している日銀法の改正にまで言及し始めている。中央銀行が政治にコントロールされ、金融政策が政治権力の具となることが必ずしも好ましい結果を生まないことは、多くの歴史が証明している。

神保哲生は知らないと思いますが、ニュージーランドではインフレ目標を達成出来なかった時には中銀総裁が罷免され得る仕組みをとっています。
政府が中央銀行の人事に介入する例は現実にあるのですし、それは決して必ず害になるわけでもありません。
イングランド銀行でも議事録の公開、議会での説明、報告書を年4回発表、中銀理事会からの監視と評価、目標不達成の場合には財務大臣へ説明文書の提出、といった責任を総裁に負わせています。
日本銀行とは違い、目標を達成する責任を負っていることを明らかにし、失敗した場合には責任を認める、というシステムになっているのです。
日銀はデフレを15年続けても何ら責任をとらないばかりか、責任があることさえ否定しています。
そのような現実を把握していないのがビデオニュース・ドットコムの面々なのです。
また、安倍総裁やみんなの党などが主張しているのは「日銀には手段の独立性のみを与える」ということであり、独立性を完全に否定しているわけではありませんが、そのような誤解を与えるような表現を神保は故意に行なっています。
これは広い意味でのウソです。

そもそも日本がデフレから抜け出せないのは、本当に日銀のせいなのだろうか。かつて、日銀が市場に資金を供給すれば物価は上がり、経済を安定的な成長軌道に乗せることができた時代はあった。しかし、今や日銀は当時の3倍もの資金を市場に供給している。にもかかわらず、モノの値段は下がり続け、我々の暮らしぶりは悪くなる一方だ。単に資金供給量を増やすだけで、この問題が本当に解決に向かうのか。

経済規模が拡大していることを忘れているようです。何をか言わんや。
また、「日銀が市場に資金を供給すれば物価は上がり、経済を安定的な成長軌道に乗せることができた時代はあった」などと言っていますが、いつのことなのか明示していません。
具体的な時期を述べずに「当時」などと言われても何時のことなのか分かりません。
日本語としておかしな表現です。

実際にデータを見ても、量的緩和の初期には物価上昇に一定の効果が見られたが、ある段階からどんなに資金供給量を増やしても、ほとんど物価があがらなくなっていると北野氏は指摘する。どうも、日銀デフレ犯人説は疑ってかかる必要がありそうだ。

これを読んで明らかなのは、神保哲生もまた毎日新聞と同様に取材をしないで、下調べをしないで文章を書いているということです。
日本の量的緩和期に物価上昇が不十分だったのは緩和が足りなかったからです。
そして何より、2006年3月に量的緩和を解除したときに日本銀行は、「約束していた物価上昇率を満たした」という理由を挙げているのです。
繰り返しますが日銀は、「物価は上昇した」という理由で量的緩和を止めたのです。
「物価が上がらないのは日銀のせいではない」と神保は書いていますが、物価が上がっていなかったのにもかかわらず当の日銀は「上がった」と言ったのです。
http://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/seisaku/02103001.htm/
神保哲生は日銀のホームページくらい見たらどうですか。

ではなぜ日本は相変わらずデフレから脱却できないのか。北野氏はその問題を解くカギは、民間企業の経営のあり方にあると説く。グローバル経済の下で外国人投資家を中心に、民間企業の株主たちは今日、日本経済の実力以上のリターンを求めている。
【中略】
 例えば、アメリカではROE(Return on Equity=株主資本利益率)は平均8%程度なので、日本の株式市場の3分の2を占める外国人株主たちも、当然のことのように日本の企業から8%のリターンを期待する。しかし、本来の実力以上の利益を捻り出すためにその企業は、人件費や設備投資などの支出を必要以上にカットしなければならない。その結果、従業員の給料はあがらず、物も売れない状態が続く。デフレである。

何を言っていることやら。
非常に不十分だった量的緩和期は小泉政権の時代ですが、そのころ失業率は下がっていったのですが、それは何故なのでしょうね。
日本の人口・就業者・失業率の推移 - 世界経済のネタ帳
神保の言説によれば「従業員の給料はあがらず」というほど厳しい状況だったはずですが、雇用は増えているという奇妙なことになってしまいます。
データに全くあたらず文章を書いたことが良くわかります。
アメリカ大統領選では失業率が論争のメインテーマだ!経済政策を選挙の争点にできない日本のジャーナリズムの幼稚さ(髙橋 洋一) | 現代ビジネス | 講談社(2/5)

民間部門が益出しのために固く財布の紐を締めているところに、日銀がどんなにジャブジャブと資金を供給しても、それが有効な投資に回ることはない。

ああ、出た。
反リフレ派の合言葉「ジャブジャブ」。
リフレを印象で貶めようとする者は、政治家であれ新聞であれニュースサイトであれ金融屋であれフリー「ジャーナリスト」であれ、同じ表現を使います。
不思議な事ですけれども。
民間部門が益出しのために財布の紐を締めていたとしても、金融緩和によってカネを借りることが有利な状態になっていれば借りるでしょうし、むしろカネが足りないのですから企業は大喜びで借りるでしょう。
神保は先に「人件費や設備投資などの支出を必要以上にカットしなければならない」状況に日本企業がある、と書いており、それはつまり「企業に資金需要がある」ということです。
だったら借りたらいいですよね。
ジャブジャブなら貸し出し金利も安いです。

日本がデフレから逃れるためには、日銀や公共事業などの公的セクターばかりに注目せずに、全国内需要の75%を占める民間セクターにもっと注目するべきだと、北野氏は言う。

していないと決めつけなさんな。
リフレはもともと民間セクターの活性化を企図するものですし、それを邪魔しているのが日銀の間違った政策だ、とリフレ派は主張しているのです。
それに公的セクターと民間セクターを峻別すること自体が不自然です。
公的セクターが使ったお金は民間セクターでは使えなくなるのですかね。
カネに色でもついているのですか?

哲学者の萱野稔人社会学者の宮台真司が、デフレの真の原因と日銀犯人説の真偽、そしてその処方箋を北野氏と議論した。

おお、またもや素人が寄り集まって経済を語るわけですね。
経済学者を排除するのは何故なのですか?
今回の選挙に際して、特に宮台がボロクソに叩いていた安倍総裁が有利な情勢では岩田規久男教授や飯田泰之准教授を特に無視する理由はどこにあるのでしょうか。
最下部にあげた2007年の宮台の文章をどうぞお読みください。
神保・宮台・萱野の動きは、完全に党派的なものだということがわかるはずです。
この3人の本心には、日本の行く末を思う気持ちは全く存在しません。
単なる政治活動家の集まりであり、「学者」であるとか「ジャーナリスト」であるとかいうのは見せかけに過ぎません。

祝 安倍晋三内閣終焉に寄せて
投稿者:miyadai
投稿日時:2007-09-25 - 11:31:00
カテゴリー:宮台の近況 - トラックバック(0)
みなさま、「マスターベーション右翼」の大爆笑的なズッコケ、おめでとうございます。
マスターベーション右翼」とは、いわずと知れた[安倍晋三的なもの=2ちゃん右翼的なもの=少し前までの『正論』『諸君!』的なもの]。私のいう「ヘタレ保守」の一種です。
さて、残るは(残っているんだな、こいつが…)「教条主義左翼」の粉砕でございます。
平和主義が大切だとか、アンチナショナリズムだとかほざくのが「教条主義左翼」ですね。この手の輩を葬送する本を、藤井誠二氏と、ただいま鋭意執筆中でございます。
We must change to protect the same.
意訳すると「大切なものを守るために変わらなくてはならない」。
これが保守というものの、近代社会や近代主義と両立可能な本義本懐でございます。
マスターベーション右翼」と、私(たち)と、どちらが「保守」でしょうか。
つまり、どちらが「大切なものを守る」ことに貢献しているでしょうか。
メルクマールは、「道徳」と「賢明さ」と、どちらを大切だと考えるかです。
教条主義左翼」と、私(たち)と、どちらが「リベラル」でしょうか。
つまり、どちらが「守るために変わる」ことに潔いと言えるでしょうか。
メルクマールは、「イデオロギー」と「現実」と、どちらを注意深く観察するかです。
エゴイスティックかつ自己満足的に「道徳」や「イデオロギー」に拘泥する、
「賢明さ」と「現実」とを欠いた(つまり「馬鹿」で「空想的」な)
マスターベーション右翼」と「教条主義左翼」を、これからも徹底粉砕して参ります。
まあ、いまや2ちゃん右翼にも「馬鹿」しか残っていないことでもありますから、
藤井誠二氏と私が今年冒頭に抱負として掲げた「教条主義左翼を粉砕する!」という目標に
先見の明があったようでございます[書籍は年末に双風舎より発売です!]。
私(たち)の認識では、古い自民党が80年代末から二十年がかりで死んだ後、
その自民党の墓地に、まさしく「アノミーの埋め合わせ」として、
マスターベーション右翼」と「教条主義左翼」が亡霊的に徘徊してきたのです。
マスターベーション右翼」粉砕!
教条主義左翼」粉砕!
■■■■■「保守リベラル」万歳!■■■■■
http://www.miyadai.com/index.php?itemid=565