【選挙】わからないことに賛成する心理【デフレ】

ガジェット通信が某自称専門家の記事を転載していますが、内容を理解せずに転載したことはほぼ確実です。
日銀は関係なかった!: デフレの真犯人 ―脱ROE〔株主資本利益率〕革命で甦る日本、北野一 | ガジェット通信 GetNews
先日のエントリでこの記事に関する疑問を呈させていただいたのですが、この記事はFRBの公式発表と明らかに矛盾する内容を含んでおり、いろいろ「理論」が述べられていますが眉唾です。
理屈というのは前提の立て方や論理のもっていきかたで様々な結論が出せるものであり、経済学の分野でも「どちらとも決めがたい」とされている理屈は多いです。
著名な経済学者、例えばフリードマンの唱えた説のなかにも実証されていない有名な理論が存在しています。
また、フリードマンは「ルールに基づいた金融政策をするべきだ」と主張していて、「裁量も必要だ」と主張していたグリーンスパンと対立していましたが、晩年のフリードマンは自分が間違っていたと述べています。
が、ここで注意が必要なのは、フリードマン本人がそう発言したからといって、その内容が正しいというわけではありません。
他の人が検証したら、根拠をもって「やはりフリードマンが正しかった」と論じることができるかもしれません。
このように、ノーベル賞受賞者でも一から十まで確信をもって論じることが出来ない複雑さをもっているのが経済学なのですから、いつも確信をもって実体的な内容を断言している自称専門家には注意をする必要があります。
その人がそんなに自信たっぷりに見せかけているのは、仕事上の演技かもしれないのです。
注意する際に重要なのは、「わからないことには賛成しない」という姿勢です。
わからないことは保留してスルーすれば良いだけなので、最近のマスコミや「識者」などのように、自分たちが理解できないことを無理やり正当化するといった不誠実の塊のような態度を真似ないように心がけたいものです。