状況に対応せず硬直する野田

タイトルが駄洒落みたいになっていますが、受けを狙っているわけではありません。彼の名前が悪い。
何かを決めた時と状況が変わっているのに斟酌しないという態度は、信念があるというよりも柔軟性に欠けた愚かさを示すもので、旧陸軍の教科書にはその傾向が強く表れていました。
日本ではやたらと頑固に何かを言い張る人間を肯定的に評価する人も割と多かったりするので、野田氏が無闇に「決断」だのと言い募るのは、選挙に向けた戦術として計算しているものかもしれません。
そんなに信念強固に政治をやっているのであれば、マニフェストを少しでいいから守ってほしかったですね。
民主党が決然とできるのは他者を批判している時だけで、自分たちで自律的に何かを成し遂げなくてはならない状況になると、どうしていいかわからなくなって迷走してしまいます。
基本的に能力が低い人達なのでしょう。

安倍氏、消費増税に賛否示さず=野田首相は「選挙前のおびえ」と批判【12衆院選
時事通信 12月9日(日)10時3分配信
 自民党安倍晋三総裁は9日朝、フジテレビの報道番組で、民主、自民、公明3党合意に基づく消費増税について賛否を明確にせず、「来年4〜6月の経済の動向を見ながら判断する。その数値が出るのは8月だから、それを受けて秋に判断する」と述べた。2014年4月からの消費税8%への引き上げは経済の好転が前提条件になるとの考えを強調したものだ。
 【中略】
 これに対し、首相は同番組で「(負担を)将来につけ回ししないということで、苦しいけれども3党合意をやった。経済を好転に持っていくのは当然だ。(安倍氏の姿勢は)選挙の前だから、おびえているとしか思えない」と批判した。 

安倍総裁の発言は二重の意味で正しいものです。
まず日本の大問題がデフレであり、これを克服しなければ財政問題社会保障も安全保障も展望が開けないという認識。
次に、「景気が回復したら消費税を上げる」という道筋を示すことで、インフレ目標を運営していく際に市場の反応が安定するという効果。
日本的な伸縮的インフレ目標+αを実施して、仮に名目GDP成長率が4%に乗れば、財政問題は半分片付くと言われています。

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しかし、後の半分は他の手段で何とかしなければならないので、その点で「経済が好転してからの増税」という手法は必要なのです。
もちろん、再度経済が悪くなったならば、一時的に減税などの景気拡張路線に変更しなければなりません。
そのような柔軟な政治・経済の運営は、野田氏をはじめとした民主党の面々には到底不可能なことです。
彼らは何事かのドグマにしたがって動くことしかできません。
そしてそのドグマがどこから来ているのかも問題ではあります。