自民党が公約を発表

数値目標も挙げられたマニフェストです。
http://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/seisaku_ichiban24.pdf
経済政策が私の関心事ですが、興味深い内容です。
物価目標に加え、名目GDP成長率の目標も併せて掲げられています。
これは・・・。
先日エントリに書いた、アメリカの経済学者のブログからの風聞はロスト・イン・トランスレーションではなかったようです。
この公約は従来の主張より良くなっています。より堅牢になりました。この公約に込められたロジックをよくよく理解して議論に臨めば、まともな経済学的批判であるなら非常に強靭な主張が展開できます。
自民党議員の方々は「まともな批判用」「まともでない非難用」と分けた形で理論武装しておくことが肝要です。
「まともでない非難」への反論は屁理屈合戦みたいになってしまいますが、言っている人々は理屈にも事実にもデータにも反した無茶苦茶を言っているだけなので、端的な反論ができるように事実やデータをリストアップしておくと良いと思います。
視聴者は小難しい議論は聞いてくれませんから、「出すだけで言い合いが終了する」ようなネタを仕込んでおくことですね。
留保の余地なく黙らせた、という印象を与えることが大事です。
「まともな批判」に対する反論は、公約を見ている限り有利になりました。アメリカのまともな学者たちからはインフレ目標についての4つの脆弱性が指摘されてきており、そのうち3つについては日本のリフレ派は考慮して来ていました。
今回の公約は残りの一つにも対応しています。この内容についてレクチャーを入念に受けておけば、まともな批判者との議論でもうまく対応できるでしょう。
インフレ目標は名前こそ同じですが、運用の仕方は事情に合わせて各国でさまざまですから、日本の「伸縮的インフレ目標+α」は日本なりに条件をつけていけば良いのです。
公約で挙げられているのはインフレ目標の素案ですから、実際に設計し始めたときには、伸縮的に、脆弱性を塞いだものに仕上げればよく、その際には複数の経済学者のブレーンを参加させるのが良いと思います。