ブルームバーグも恒例低品質記事

ポジショントークに埋め尽くされる世界。

債券は下落、円安・株高や安倍自民党総裁発言を警戒−日銀会合見極め11月19日(ブルームバーグ
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDPFZM6JIJXL01.html
【前略】
JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは、「日銀による国債引き受けを前提としたインフレ脱出策は禁じ手。これは悪いインフレを創り出し、インフレが収束しないリスクを伴うからだ」と警告し、日本国債に対する信頼の低下が利回り上昇を招くリスクが増大しているとの見方を示した。

「日銀による国債引き受けを前提としたインフレ脱出策」?なにそれ。デフレ脱出でしょ。文脈が変になることにも気づかないで日常的に経済記事を書いているのでしょうか。
正しく読み換えてあげて、「日銀による国債引き受けを前提としたデフレ脱出策」だとしても、そんなことは主張されておりません。手法の一つとして提案されているだけです。
デフレ脱出の肝はインフレ目標ですから、国債引受はしてもいいとは思いますが、同じ様な効果が上がるであろう別の方法も存在するので「前提」ではありません。
また、国債引受が悪性インフレを必ず起こすかのような書き方は間違いですね。それが本当なら、現状でも国債引受は行われているのですから、悪性インフレになっているはずです。
そして、「収束しないインフレ」などありませんよ。あるなら例を挙げて下さい。「専門家」なのでしょうから。ポジショントークの専門家ではないでしょうし。
マイルドインフレが予想されるようになって国債利回りが上昇するのは、「信頼の低下」が原因ではなくて「マイルドインフレになると固定金利の金融資産の価値が目減りする」からでしょう。マイルドインフレになると固定金利の金融資産から設備投資などの実物資産へお金が移ってしまいますしね。
金融業の方々がリフレを腐すのはこの辺も関係しているように見えます。