フェアな論議はなかなか出来ない

世の中そういうものなのでしょうか。
安倍批判がらみのエントリ。

日銀による国債引受が禁じられている理由
http://bullbear.exblog.jp/19228203/
【前略】
もし、日銀が財政ファイナンスを目的とした国債引受を行うとなれば、その時点で市場参加者による国債への信用が失われよう。当然ながら長期金利にもその影響は及ぶであろう。そして、その歯止めが効かないと認識されると、歴史上何度も繰り返されたような悲惨な事態が起こりうる。それだけは絶対に避けなければならない。

これはこの文章の結びの段落ですが、もう書き出しからおかしい。
リフレ的国債引受の提案は財政ファイナンスが目的ではなくデフレ脱却のためである、ということは何度も言及されていることであるのに、まったく無視した前提で結論につなげてしまいますね。
リフレ批判の文章は大体がこのような展開になります。
日本には債務が積み上がっていますが、まだ国債の国内消化ができているのですから、財政ファイナンスをする必要がないですよね?
財政ファイナンスをする必要がない国がデフレ脱却を掲げてインフレ目標も設定すると宣言して国債引受をしたときに、どうしてそれが財政ファイナンスと受け取られるのでしょう?
市場関係者は金利CDSもきちんと見ていますから、平行世界しか見えない日銀総裁日本民主党・御用「学者」のような曲解はしませんよ。
日本民主党のシロウト財務大臣・安住氏は「円高なのは『投機筋』*1のせい」とかいう「見解」を述べて責任逃れてしてきましたが、現実には安倍氏の発言だけで円安方向に動きましたね。
これは安住大臣よりも市場関係者の方が経済のことをよくわかっているからです。当たり前といえば当たり前なんですが。

*1:通貨アタックを受けるのは固定相場制なんですが、安住氏は責任逃れのために経済に疎い一般国民への誤魔化しを意図しているのでしょう。