池田信夫の安倍総裁批判 ２
池田氏のこの勢い、使命感のようなものは何なのでしょう。
まるで任務を遂行している時のような素早さです。
池田氏に任務を課すことのできる人間なんて勿論いないけどね♪
暴走する安倍晋三氏2012年11月17日 18:37
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51824832.html
安倍総裁の暴走が止まらない。きょうは「建設国債を日銀に引き受けさせる」と約束したようだ。これを「国債を10年間で200兆円発行する」という国土強靱化法案と組み合わせると、毎年20兆円の建設国債を増発して日銀に引き受けさせ、土建業界に金をばらまくヘリコプターマネーになる。
私は引用先の記事を読みましたが、安倍総裁は「20兆円引き受けさせる」とは言っていません。
安倍氏、建設国債の日銀引き受け言及 総裁には「インフレターゲット論者に」
2012.11.17 15:38 産経ニュース
自民党の安倍晋三総裁は１７日、熊本市内で講演し、脱デフレ対策に関し「やるべき公共投資をやり、建設国債を日銀に買ってもらうことで強制的にマネーが市場に出ていく」と述べ、政権復帰した場合、建設国債の日銀引き受けを検討する考えを示した。
次期日銀総裁の人事については「インフレターゲットに賛成してくれる人を選んでいきたい」と強調。安倍氏が主張する２〜３％の物価上昇率を目指すインフレ目標の導入で、協調できることが条件との見方を示した。
その上で、日銀は政策目標として物価安定だけでなく、米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）などのように雇用の維持にも責任を持つべきだとした。
「20兆円引き受けさせる」と解釈したのは池田氏であって、そんな発言は存在しません。
第一の問題は、こんな政策に意味があるのかということだ。安倍氏は「建設国債を日銀に買ってもらうことで強制的にマネーが市場に出ていく」というが、日銀引き受けで増えるのは政府支出であり、これは建設国債を民間が買って日銀が買いオペで吸収するのと同じだ。
違うよ、ぜんぜん違うよ。
日銀が国債を直接引き受けすると金融緩和になりますが、国債を民間が買う場合には政府が民間からカネを吸い上げることになります。
「経済学者」なのにこの２つが同じに思えるのですか。
ただまぁ、国債を普通に発行して公共事業をやり、同時に日銀が市中の国債を買い取れば似た感じになるかもしれないですね。批判をかわす手としては一考の余地があるかも。
第二の問題は、財政法で国債の日銀引き受けが禁じられていることだ。これを改正することは、あからさまに日銀の国債ファイナンスを制度化することになり、財務省も日銀も強く反対するだろう。
財政法第5条でしたっけ。確かに禁止されていますが但し書きで「但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。」とあるのですよね。
しかも日銀引受は毎年行われていることなので、「日銀の国債ファイナンス」は既に行われてきているのです。
全文表示 | 高橋洋一の民主党ウォッチ 「日銀引受は禁じ手」の虚妄 実は「毎年行われている」 : J-CASTニュース
第三の問題は、どういう経済効果があるかだ。ヘリコプターマネーは財政政策だから、財政赤字によってインフレを起こす効果がある。しかし建設国債は今年度予算でも約6兆円だから、これを一挙に4倍以上に増やしたら、国債は暴落して財政が破綻するだろう。こんな政策に意味があるとすれば、ハイパーインフレで日本を「焼け跡」にすることぐらいだ。
うお、池田氏の昨日のエントリとは真逆のことが書いてある。
何というか、池田氏は大丈夫なのでしょうか。
しかも20兆円程度の日銀引受でハイパーインフレが起こるとか、いい加減その経路を説明して欲しいのですよね。
おまけに「日銀は雇用の維持にも責任を持つべきだ」という話も、自然失業率を理解しない初歩的な間違いである。
何で？
日銀は常々「日本銀行の政策枠組みはFRBと同じ」と主張しているのですから、雇用への責任についても同じでいいじゃないですか。
それともFRBもまた「自然失業率を理解しない初歩的な間違い」をしているのですかね。
いずれにせよ率直にいって、安倍氏は自分の言っていることを理解していない。
そっくりそのまま池田さんにお返しします。
彼に知恵をつけているのは中川秀直氏や高橋洋一氏だと思われるが、彼らは金融の専門家ではないし、学界でも相手にされていない。
それって推測ですよね。まぁ本当に中川氏や高橋氏がアドバイスしているのかもしれませんが、私は池田氏の主張よりも説得力を感じますよ。
あ、池田氏は「金融の専門家」で「学会で相手にされている」のですか？
私は以前から疑問だったのですが、池田氏は経済学の何を専攻したのでしょう？どういった研究で「学者」になったのですか？
池田氏が頻繁に批判なさる岩田規久男教授とも同等のご研究水準なのでしょうねぇ。
