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何か動きがあるたびにすかさずプロパガンダ記事を流してくる勤勉さには呆れます。

ドルは80円前半、日銀法改正議論で「ハンガリーの悲劇」指摘も
2012年 11月 15日
[東京 15日 ロイター] 
【前略】
円安期待が高まっている背景には、安倍自民党総裁が金融緩和強化を主張していることがあるが、参加者からは安倍総裁の強硬姿勢、とりわけ日銀法改正に言及していることに懸念を抱く声も出ている。
みずほコーポレート銀行国際為替部マーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏はハンガリーの例を挙げ「昨年12月、ハンガリー議会はハンガリー中銀総裁が持つ副総裁の指名権限を剥奪し、政策金利を決定する委員会は3人目の副総裁を置くことで拡大するという中銀への規制法案を可決した。これを受けてIMF/EUは進行中のハンガリーへの金融支援を停止し、格付け機関も同国国債をジャンク級へ格下げ、ハンガリーフォリントも急落するなど徹底的に洗礼を浴びた」と指摘。
フォリントと円では相場構造が異なるので一概には言えないとしつつも、「仮に、安倍総裁が口にしているような『政府の期待に応えなければ責任を取ってもらう』というスタンスが日銀総裁の人事権まで包括するようなものになった場合、円相場が金融危機後に経験したことのないような急落に見舞われる可能性は否定できない」と懸念を示した。
ハンガリーはその後、中銀法改正の修正を余儀なくされている。
(ロイターニュース 志田義寧)

この「懸念」の意味が全くわからないのですが、ハンガリーIMFEUから金融支援を受けていたからこそ介入をうけたのであって、日本はそのような状況に無いのですから、ハンガリーの件と日本の問題は全然関係ありません。
正しく100%の印象操作記事であって、ジャーナリズムの欠片も見当たりません。日本の新聞・テレビ、ロイターもブルームバーグフィナンシャル・タイムズエコノミストもこの手の記事はとても多いです。
よく「フィナンシャル・タイムズエコノミストを読んでいるから経済通」といった言い方を目にしますが、そんなことは全然ないですよ。メチャクチャなことを書いている記事が珍しくないので、勉強にはなりません。むしろあれら「経済紙」をずっと読んでいるということは、その内容のおかしさに気づかないということなので、知識は薄いということの証明です。
インフレ目標を達成できなかった理由が合理的でない場合に中央銀行総裁が罷免されうる制度をとっている国はニュージーランドが挙げられますが、特に『悲劇』は起こっておりません。
上記記事では「政治が日銀の人事にまで踏み込むと金融危機が起こり、円が急落する」と書いています。
円が急落すること自体は大歓迎であり、問題無いどころか日本経済にとっては福音であるわけで、いっそ1ドル=120円まで急落していただきたいものですが、「政治が日銀の人事に介入すると金融危機が起こる」という辺りの筋道を説明してほしいのですよね。
そのようなことが発生する理由が全くわかりません。妄想乙としか言いようがない寝言です。