20年の停滞が打開される時が来るか?

次の選挙は今後の20年を占う重要なものになりそうです。次期政権は財務省の手管をはねつけるだけの政策形成力があるかどうか。
金融・財政・広報に優秀なブレーンを抱えるのが大事です。官僚に対抗できるような。

日銀と政策協定結びインフレターゲット設定へ=安倍自民党総裁
ロイター 11月7日(水)8時53分配信
[東京 7日 ロイター] 自民党安倍晋三総裁は7日午前、都内で講演し、政権奪還後の経済政策について、デフレ脱却のために政策を総動員する必要があるとし、あらためて日銀に強力な金融緩和を求めていく考えを示した。政府・日銀間で政策協定(アコード)を結び、インフレターゲットを導入する考えを示し、政策目標を達成できなければ、日銀および日銀総裁には責任を求める考えも表明。インフレターゲット設定などができなければ、日銀法改正も視野に入れる考えを示した。
安倍氏のこれまでの持論を展開した形だが、政権奪還後の対応策として明言したのは初めて。日銀法改正も視野に、より一層強力な金融緩和を求めていく考えを繰り返した。

ここまで言い切られたのは実に画期的なことで、先日のエントリでも「画期的だ」と表現しましたが、それ以外に言いようがない。
20年戦い続けたリフレ派の人々はどう思うのでしょう。

<物価目標3%達成まで無制限に金融緩和を>
そのうえで政権奪還後の金融政策に関して「日銀と政策アコードを結び、インフレターゲットを設けたい。これは目途ではなくターゲットだ。日銀総裁および日銀にはコミットしてもらい、達成できなければ責任をとってもらう。達成できなければ説明責任を果たしてもらうことだ」と、強い姿勢で臨む考えを強調。「達成できなければ日銀法改正し、現行の日銀法にある日銀の使命に、雇用の最大化など実体経済に対する責任ももってもらう」と提案した。
物価目標については「私は3%がいいと思う」と持論を展開しながらも、専門家の協議を待つ考えも表明。手段は日銀が決めていくことだとしながらも、「あくまでも3%達成するまでは基本的に無制限に金融緩和をしていただく必要がある」と語った。

無制限の金融緩和、という辺りに深い理解を感じさせます。
この数年間のアメリカの金融政策からも分かる通り、過去に例のないほど金融緩和をしたとしても、直面している問題を解決するのに十分な規模でなければそれは「引き締め」なのです。
相対的に考える発想が必要です。
日銀の金融政策がダメなのは最初から額を区切る点にもあると思われます。その額が問題解決に十分なのかどうかわからないにも関わらず額を区切る。非合理的なことだと思います。
インフレ率の目標に到達するまではどこまでも金融緩和しても問題はありません。ハイパーインフレなどにはなりません。現在の日本は労働力や施設が余っている、つまり供給力が余っている状態なのですから、景気の「過熱」などそうは起こらず、おこる兆候が見られたら金融緩和をやめれば良いだけです。
インフレ率の微調整ができない、という説を唱える人もいますがそれは間違いですね。
現にこの20年の日本はマイルドデフレ状態を継続しているわけで、それはつまり金融政策を通じて「安定したデフレ」を実現しているということなのですから。

現下の最大の問題はデフレだとし、デフレ脱却のために政策を総動員する必要があると指摘。強力な金融政策や財政政策を求めたほか、成長を促す成長戦略を打ち出し実行することを約束するとした。また、同時に円高を是正する必要があるとしたが、具体策はなかった。

こういう文章を読むと日本のメディアのレベルの低さに悲観的になるわけですが、この記事を書いた記者は「デフレが円高をもたらす」ということを理解しないで経済記事を書いているのです。日本のメディアによる経済政策への論評がトンチンカンなのも仕方有りません。彼らは学ぶ気持ちが希薄なのです。