日本民主党のレッテル貼り政治

日本民主党の常套手段は、まともな政策論議をせずに物事を極限まで単純化してレッテル貼りし、ややこしいことが分からない人々、分かろうとしない人々に印象を利用して働きかけて支持をとりつけるという方法です。

前原氏、自民を批判
 前原国家戦略相は28日、名古屋市内で開かれた民主党衆院議員の会合であいさつし、「【中略】自民党政権になれば公共事業中心の政治に戻る。公共事業をばらまく政治に戻して良いのか」と述べた。
 次期衆院選は、原発政策や公共事業のあり方が争点となるとの考えを示したものだ。
(2012年10月28日19時37分 読売新聞)

前原氏は安倍自民党が「金融政策も重視する」と明言していることを知っていながら無視し、金融政策と財政政策の区別がつかない人たちに向けてネガティブな印象付けをすることだけを考えています。
確かに「国土強靭化計画」といった話を聞くと「どうして土建だけが公共事業なんだよ」といった疑問がわいてくるわけで、金融政策のバックアップがない公共事業は大した効果が出ないということは小渕政権での経験と日本国に積み上がった借金が証明しているわけですが、かといって「公共事業だから悪い」というのも偏見です。
公共事業は本来は景気対策のためだけにやるわけではなく、これは当然ですけれども社会に必要な仕事を税金を使って行うためのものなのですから、景気が良かろうが悪かろうが実施されるべきものです。
公共事業が景気を加熱させかねないのなら金融政策で抑えれば良いだけの話であって、どんな時でも必要な事柄や物はあるのです。
前原氏の物言いだと「公共事業=ばらまき」ということになってしまい、政策のことが良くわからない有権者に対して間違った考え方を植え付けることになって、大変不誠実なことだと思います。
自分たちの選挙に有利にしたいからという理由で誤った概念を社会に広めるのは倫理的に問題があるでしょう。

右の反対は当然左

同じ様な問題点は菅直人氏にも見受けられます。

なぜ今、民主党が必要か
菅直人 2012年10月28日 08:23
【前略】
政界全体が弱肉強食化と右傾化が進んでおり、
その中で、民主中道の民主党が、二大政党の一方としてしっかり存在していかなくてはならない。

まず「政界全体の弱肉強食化」というフレーズが理解できないのですがそれは置いておいて、「政界が右傾化している」というのも根拠なきレッテル貼りだと思います。
日本民主党の政敵が「右」であるなら必然的に日本民主党は「左」なわけで、2009年の政権交代後の日本は「左傾化した」と批判できてしまうわけで、菅氏が行なっている「日本が右傾化している」という『警鐘』はまったく意味のないものです。
日本民主党社民党共産党以外の政党に敵対的なマスコミ、政治家、「識者」は安易に「右傾化」という言葉を使いたがりますが、それは同時に自分たちが「左翼です」と言っているのと同じなのですから、その馬鹿さ加減に気づいて欲しいと思います。