もはやまともな発言を放棄した政治家

民主党税調>藤井会長「ゼロ成長でも増税可能」と見解
毎日新聞 10月27日(土)2時31分配信
 自民党安倍晋三総裁は、デフレ脱却を増税の条件とする姿勢を示している。民主党内にも、政府が努力目標に掲げる「名目3%、実質2%」の経済成長率に届かない場合の増税には慎重論がある。これに対し藤井会長は「高成長の先進国はない。大幅なマイナス成長なら難しいが、英国やスペインはマイナス成長下で増税している」と指摘。その上で「デフレから脱却しなければ消費増税はできない、という流れにはならない」と話した。

藤井氏の発言はのっけから詭弁ですねぇ。いつものことながら呆れます。
名目成長率3%は「高成長」ではありません。むしろ「最低限」でしょう。民主党内の主張の「3%」はインフレ率が1%であることを想定していますが、これはむしろデフレに陥る危険領域です。
だから通常主張されるインフレ率は2%なのだし、不況脱却を考慮するなら3%〜4%を目標にしなければならないと言われます。
英国やスペインは確かに増税していますが、その結果不況に陥っています。特にスペインは若年失業率が5割を超える惨状で、欧州の緊縮財政は間違っていたということをIMFですら認める事態となっています。
藤井氏の言説は、経済ニュースや経済的知見に疎い人たちに向けた、増税ありきの宣伝にすぎず、大変不誠実なものです。「どうせわかりゃしないのだから適当に言ってやろう」という内心が透けて見える不快な発言です。
また、日本は先進国で唯一デフレに陥っている国ですから、不況下の消費増税のような間違った財政政策に対して特に脆弱です。1997年の橋本内閣による消費増税は今に続く大打撃を日本に与えましたが、あの時は曲りなりにも復調していたときです。
今のようにデフレが定着した状態で増税を行えば、橋本内閣のころよりも酷い状況になってしまうでしょう。