『日銀券ルール』はどうでも良い。

「ルール」と称していますが実際には何の根拠もない日銀の「俺ルール」に過ぎないので、こんなものを超過して何も起こらないのは当然なのですね。

日銀の国債保有残高が銀行券上回る、基金含め約81兆円に
ロイター 8月14日(火)10時40分配信
[東京 14日 ロイター]  日銀が14日公表した10日時点の営業毎旬報告によると、日銀が保有する長期国債の残高が10日時点で約80兆9700億円と、紙幣(銀行券)の発行残高約80兆7900億円を上回った。
【中略】
中央銀行が巨額の国債保有すると、政府の財政赤字を財布代わりに引き受けているというマネタイゼーション(財政支援)懸念を呼ぶとして、日銀は自主的に銀行券ルールを定めている。
【中略】
実際、白川方明総裁は5月以降、金融緩和の効果を測るのは「量でなく金利」とのメッセージを盛んに発信。基金の残高目標を現行の70兆円から積み増す追加緩和には消極的な姿勢をみせている。
【中略】
もっとも、今回国債残高が銀行券を上回ったことに対し、市場は特段の反応を示していない。東短リサーチの飯田潔・上席研究員は「日銀の緩和姿勢を示す象徴的な出来事だが、長期金利など市場にすぐ影響が出ることはない」と話す。
(ロイターニュース 竹本能文:編集 久保信博)

「日銀券ルール」というのは、バーナンキ氏を始めとして様々な学者達から「意味がわからない」と否定されている代物ですが、日銀だけが尤もらしい理由をつけて主張しています。
国債の買取を発行された日銀券の枠内に収めないとマネタイゼーションだと思われる」とか言っていますが、枠内であれば思われない理由って何なのでしょう。
アメリカなどはとっくに超過していますが、マネタイゼーションだと思われたりはしていません。というか、思われると考えているのは日銀だけなので、世界中の投資家がそう考える筈もないのです。
また、「金融緩和の指標は金利」という発言も今だに行なっていますが、必ずしもそうはならないことは他国の事情を知ればすぐにわかります。
景気が良くなって銀行からの貸し出しが増えると金利は上がるわけですから、「金利が上がっているから金融引締めになっている」とは言えません。
景気が良くなって、投資家が国債から他の金融商品に資金を移せば、国債の値段が下がり金利が上昇するのですから、ここでも同じ事が言えます。