増税で税収減
「税収で景気回復」といった説を述べている「識者」がいますが、その主旨は「増税して財政再建の見通しが立てば、人々は安心してカネを使い出すので景気が回復する」というものなのですが、これは過去の事実に反していますね。
橋本政権で消費増税したあと1998年、99年と税収減が発生し、2000年には回復しますが、2001年〜2003年まで再び減ります。2000年秋のITバブル崩壊の悪影響でしょうか。
2004年〜2007年にかけて税収が増えますが、実はITバブル崩壊後の2001年3月〜2006年3月まで『量的緩和』政策をしています。
金融緩和否定論者は「金融緩和しても無駄、あるいは有害」と述べていますが、その時期に景気は良くなっているんですね。*1
2008年からは再々度減りますが、これは記憶に新しいので説明不要でしょう。
2010年、2011年は2009年よりはマシですが、それでも1997年より10兆円ほど少ない税収になっています。
この間、色々な理由で税収が増えたり減ったりしていますが、国債発行残高は増えていっているわけで、「財政再建の見通しが立った」時期は基本的にありません。*2
ということは「識者」の説に従えば、個人消費が伸びる安心感が醸成された時期などないということになります。
すなわち、消費税を上げても財政再建の見通しが立つかどうかわからないし、将来への安心がもたらされるかどうかもわからないし、事実としては上げる前より税収が減っているということです。
増税によって景気が良くなるという説には何の根拠もありません。