江戸時代の金融経済、インフレ
「江戸時代は実物経済だったのでインフレは起こらなかった」とか書いてある記事を見てびっくり仰天しました…
ここ10年くらいかな?高校では世界史が必修で日本史をやらない人が多いからか、上記のようなデマや「これからは貨幣経済でなく〇〇経済」とかいう与太話に真顔で乗っかる若者が多いですね。
中高年でも多いのはやっぱり歴史の授業で教科書を読まない、軽視して丸暗記する、という方法が一般的だからでしょう。
最近は「もう一度読む歴史教科書」みたいなのが売っていますが、確かにああいうものは読んだほうがいいです。あまりにも馬鹿げた作り話にあっさり騙される人が多いですから。
今の世間の漠然とした常識として、「江戸時代の人間は頭の中身が古臭かった、認識が遅れていた、だから幕府は滅亡したんだ」というものがありますが、それは間違いです。
江戸時代の人々、といっても勿論一部の武士や商人ではありますが、彼らは貨幣の機能・インフレ・デフレ・先物市場といった概念を理解していましたから、現代の一般市民層よりも広い見識をもっていました。
現に明治期の政治・経済・学問分野での優れた業績は江戸時代生まれの人々が担ったわけで、昭和期に入ってからの愚行は近代日本が生み出した人材の行いであることを分かっておかなくてはいけません。
江戸時代のインフレなど
経済学者を詐欺師呼ばわりしていることから、今では「経済学者」ではなくなったんかいな、と思われる人のデマへの反証を挙げておきましょう。
江戸時代にも貨幣経済はかなり広がっていましたから当然インフレ・デフレはありましたし、実物経済ではない金融経済も存在しました。