一票の格差の是正

かなり前から問題になっているのに対策がとられていない問題として、『一票の格差』がある。
この頃の状況としては、衆議院では2倍、参議院では4倍〜5倍の差がある。
一票の格差とは平たく言えば、「人口の少ないところで立候補すると有利」というもの。
田舎では15万票程度で当選できるのに、都市部では70万票取っても落選することもある、といった問題。
この格差は憲法法の下の平等に反すると言われているのに、いつまでたっても「違憲状態」とか何とかいった曖昧な表現でごまかされていて対処がなされない。
一票の価値に格差があると、候補者が田舎から立候補したがるようになるのは当然であるし、政治家は地方の少数者の意見を過大に尊重するようになって政治が割く労力や資金は地方に向かって不当に流れこむということになる。
参議院選挙についていえば、政治家にとって大都市の人間の価値は田舎の人間の価値の5分の1しかない。地方に経済効果の薄い、維持にカネばかりかかる無駄な施設が税金を使って大量に造られるのも、一票の格差を放置しているのだから当たり前である。
都市vs地方の利害に加え、地方では高齢化が進んでいることから世代間の利益配分の歪みといった問題にも、一票の格差は関係してくる。
デフレや不況下の消費税増税のように、社会に負のインパクトを齎らす愚策を政府が実行しようとする場合、投票率の高い中高年層に利益誘導しようとするだろうし、地方には中高年層が多い上に都市の若者の5倍の価値をもつ票をもっているのだから、これまで以上に利益配分を歪めて社会へのダメージを大きくするだろう。
そのような自滅的な進路へ向かわないためにも、選挙区の区割りを変更して人口と当選者数の比率を全国で揃えるべきだろうと思う。