【毎日新聞】通貨の信認って何よ

毎日新聞はしつこい。
びっくりするくらいにリフレ政策の否定を連日行なっている。この執着の源は何なのだろう。

日銀:インフレ目標導入 政治の包囲網に屈し
 ただし、政府・与党の求めるがままに日銀が社債などリスクの高い資産を大量購入すれば、日銀の財務内容が悪化し、通貨の信認低下や極度のインフレを招く恐れがある。多額の国債購入を迫られれば財政規律が緩み、国債が暴落する事態も招きかねない。

「通貨の信認」というフレーズが当然のように使用されているので、こういう問題に関心の薄い人は「そういう概念があるんだ」と考えてしまうが、実は経済学者でも「日銀のいう『通貨の信認』という概念の内容がわからない。日銀は一度もそれを説明したことがない。」と言っている代物。
わからないけれども、「通貨の信認の低下」が通貨の下落を齎すならむしろ歓迎するべきことで、円安による輸出の増加が望める。国内の製造業での雇用も増えて喜ばしいのではないか、などとも言われている。
「極度のインフレ」といった曖昧で不気味な言葉遣いによって事情をよく知らない人を脅そうとするのもいただけない。極度のインフレとはどのくらいのインフレなのか、毎日新聞は自分たちなりの想定をもって書いているのだろうか。
何度か紹介した「円高の正体」では「あと78兆円ほど円を増刷してもインフレ率は4%」と主張しているので、毎日新聞が根拠をもって社会を憂えているなら「円高の正体」の主張を検証するべきだろう。多分著者は議論に応じてくれると思う。議論を通じてデフレ問題に関心が注がれるようになれば望むところだろうと推察する。
上の記事の最後の部分もよくわからない言い分で、日銀が国債を買取るとなぜ国債が暴落するのだろうか?長期国債の買取オペは発行済で民間銀行が持っている国債を買うことなのだが、それによってどうして暴落が発生するのか理路を示して説明してもらいたい。
FRBは日銀とは比較にならないくらい大量の資産を買い取っているが、アメリカではそれらの暴落が発生しているのだろうか?