【TPP】中野剛志出演の「とくダネ!」を検証する。その2

ソースはこちら。
TPP研究会報告書

  1. 1秒〜1分「韓米FTAアメリカ有利な条件がゴリ押しされた」⇒色々言っています。しかし全部中野の主観であって、具体的にどう悪いのか説明していません。農協・漁協・郵便局の共済が解体されるのが問題だと述べていますが、これを日本に引きつけてみると日本の農協の共済は民間企業の保険事業と同じ状況で事業が行われているのに、金融・生命保険・損害保険を兼務できている上に法人税率も安いといった優遇を受けているのですから、解体なり組織変更なりされた方が社会的に公平でしょう。アメリカの保険会社が入ってもいいじゃないですか。別に社会保険じゃないですし。自動車の排ガス規制や税制がアメリカ基準になったそうですが、それが悪いという根拠はあるのでしょうか?あるなら示す方が説得力があります。知的財産権制度もアメリカの要求丸呑み?そうかもしれませんが、TPPに関しては「著作権についてはアメリカのレコード会社や映画会社は厳格さをもとめ、インターネット会社はパロディなどへの使用を認めよと主張して対立している。」とか「アメリカでは知的財産分野・貿易と労働・環境といった分野で国内対立があるので、アメリカの提案をまとめることすらできていない。」と言われております。「薬価に関してアメリカの製薬会社が安すぎると言ったら韓国政府に見直しを要求できる。」そうですが、TPPに関しては「オーストラリアやニュージーランドの公的薬価制度がTPPでとりあげられたが、両国とも制度の根幹の変更に応じていない。」とのことです。ちなみに韓国紙のFTAがらみの記事はこちら。Chosun Online | 朝鮮日報Chosun Online | 朝鮮日報Chosun Online | 朝鮮日報韓国で問題になっているTwitter上のデマが日本でTPPに関して撒き散らされているTwitter2chでの話と酷似しているのが気になる所。
  2. 1分10秒あたり「韓米FTAによってアメリカの雇用が7万人生まれたということは韓国の雇用が7万人奪われたということ。」⇒中央日報は「34万件の雇用が韓国で生まれる。」と報じています。【コラム】次は北東アジアFTAだ(1) | Joongang Ilbo | 中央日報
  3. 2分40秒あたり「TPP交渉国で日本のように工業製品輸出国はない」⇒間違い。以前指摘しましたが、シンガポールもマレーシアも工業製品が輸出の主力です。調べればおそらくほかの国もそうでしょう。チリですら輸出品の1位は銅。銅は銅鉱じゃないですよ。
  4. 7分くらい「TPP交渉に参加したら実質上出られなくなるのが国際常識」⇒うーん、しかしTPP・P4協定20条8項には脱退の規定があるそうですが、どうなんですかね。
  5. 8分54秒「野田総理がTPP参加表明したのはオバマ大統領に花をもたせたいから」⇒うそん。TPP参加検討を言ったのは2010年10月の管政権でしょ。TPP研究会報告書では「アメリカ民主党政権を支える労働組合は日本がTPP参加を表明したら反対する可能性がある。」と言っていますね。実際するかどうかわかりませんが、工業分野で日本はアメリカと競合するので歓迎されるとは限らないですね。大体アメリカは砂糖と乳製品では損すると言われていますから、TPP=アメリカの利得という話は間違っています。

しかしこういう話だと眞鍋かをりとミナぽんが全く他人ごとの風情じゃないですか。日本の岐路なんですよ!関心もってください!