アメリカの貿易相手は日本が大半ではない。
- TPP参加国9カ国のうち、アメリカからの輸出先で日本が占めるのは40%。残りの60%は他国。
- オバマ政権がTPPに踏みこんだのは、現在交渉中の9カ国に工業で競争相手になる国がないから。だから労組が容認した。
- そのようなわけで、日本がTPP参加を打ち出せば工業分野での競争相手になるので、アメリカの労組や議会が反対する可能性がある。
- アメリカの農家のうち、牛肉業界は日本の参加を歓迎するだろうが、トウモロコシや大豆業界は関係ない。なぜなら現状でも関税0%だからだ。
- むしろ乳製品についてアメリカは競争力がないのでニュージーランドからの輸入が増える。
- 小麦や米についてはアメリカはむしろ被害を受ける可能性がある。関税がなくなれば日本市場で、小麦ではオーストラリア・カナダと競争し、米ではタイ・ベトナム・中国と競争することになる。
- 小麦について日本はすでに消費量の9割程度を輸入しているので、自由化しても輸入は増えない。つまりアメリカは得しない。
- 米についても農家への直接支払いを日本政府が行なって補助すれば輸入が増えることはない。