どこで情報を仕入れているのか?

ネットでのみ議論が噴出して、リアル世界では農業関係者以外はほとんど誰も関心をもっていないTPPですが、私も興味本位の口出しばっかしていて「祭り」という感じですが、TPP論議でおぼえる奇妙な感慨はやはり「こんなにたくさんの専門分野にまたがっているのによく『理解』してるね、みんな。」ということで、私なんぞはリフレ1つとっても何が妥当な議論なのか、誰がまともな書き手なのか、そしてリフレとは大体どういうものなのかを把握するのに相当苦労したのですけれども、普段世間を見回していると「でも、それで当然かもしれないなぁ」と思う程度にしか円高問題とかデフレ問題は語られていないのですけれども、今回のTPPについては1つとっても結構複雑な事情をかかえている分野が20だかあるのにもかかわらず、非常に旗幟鮮明に「反対である。これを受け入れるのは亡国である。」と噴き上がっている人々が多いんですね、実に不思議です。
TPPについて詳しくないというか、ほとんど情報が出てないだろうと思うのですが、とにかくよく知らない私としては「参加ありきも不参加当然も変だね」としか思えません。断定的に「これはアメリカの横暴である。」と語る人がゴロゴロいるなかで格好がつきませんけれども、断言している人々にはその断言の根拠をどこから得たのか、どういう理路でそこに至ったのかを訊いてみたいと思います。たいていは「日本に不利になる。」という結論しか語られていないのでそう簡単には信じる気持ちになれません。私には自分がよくわからないものを支持することは難しいので、もし理解不可能なら支持も不支持もしないで黙っているのですけれども、ネットの場合は例えばナショナリズムとか心地よさとかいった感情や感覚に肯定的にはたらきかけてくるコミュニケーションに対してよく検討しないで賛成を与えてしまう人々が多いようです。それは「気分が良い。」というだけのことで「納得した。」ということではないのですが、自分の心の働きすら混同しているということなのかもしれません。