新しい冷却装置をつけないのは何故か?

原発の処理はいまだに汚染水がどうとかそんな段階に留まっており、日一日再臨界とその後の破局への恐れが高まっているわけですが、私が驚いたのは上原春男氏が次のように述べていることです。

  • 既存の冷却装置を使わず、新たな装置をつけるというのは常識。根本原理といってもいい。壊れたものを直すのは時間がかかり過ぎる。

2011-04-09 - Maddercloud


「常識」とまで言われている方法を何故政府と東電はとらないのでしょうか。既に事故から1ヶ月がたとうとしており、繰り返しますが更なる深刻な事態への懸念が高まっています。
そして次のような記事も。

原発危機に初動から後手の政府、いらだつ米


前略


 大震災から一夜明け、東京電力福島第一原発の危機的状況が明らかになった3月12日午前9時前、米太平洋軍のウィラード司令官は、折木良一統合幕僚長に電話し、情報開示を求めた。


 「ワシントンから原発の情報提供を求めるよう言われた。フクシマは安全か?」


 しかし、自衛隊にも詳しい情報はなく、折木は「専門家が情報分析中だ。結果が出れば提供する」と答えるしかなかった。同日未明、1号機の格納容器圧力が異常上昇し、原子炉は危険な状態に陥っていた。ウィラードが心配したように同日午後、1号機原子炉建屋は水素爆発し、白煙が上がった。国内外に衝撃が走った。


 「米国の原子力の専門家を支援に当たらせる。首相官邸に常駐させたい」


 この日以降、ルース米駐日大使は枝野官房長官らに何度も電話をかけたが、枝野は「協力はありがたくお願いしたい。ただ、官邸の中に入るのは勘弁してほしい」と条件もつけた。


(2011年4月10日03時14分 読売新聞)

この記事はソフトな書き方ですが、「日本政府がアメリカからの援助の申し出を拒絶した」とはっきり発言しているジャーナリストもいます。
そして、いまだにアメリカの援助を受け入れておらず、例の専門部隊も出動要請が来ていないという話もあります。
ここまで危機的な状況のなか、なぜ政府と東電は原発に外部の者を関わらせたくないのでしょうか。
ヘタをしたら関東に住む3000万人を道連れに永遠の地獄に落ちる可能性がある状況で。
今のような隠蔽につぐ隠蔽では推測するしかないのですが、どうも事故を起こした原発は安全配慮を怠っていたのではないかと思うのです。
原発なら当然備えておかなくてはならない安全のための機構、装置といったものをコスト削減のために設置していなかったのではないか?
原発に外部の人々を入れると、これまでの怠慢が暴露されてしまうのを恐れているのではないか。
その責任をとらされることや、安全コストを無視してさんざん儲けてきた立場を失うことを恐れているのではないか。
そのように勘ぐってしまいます。
もし彼らが責任追及されることや不労所得を得られる立場を失うことを恐れているのであれば、この際、そういうものは不問にするからそこをどいてくれと言いたい。
退廃した人々がこれまでどおり禄に働かずに偉そうにエリートとして金満生活を続けるのだとしても別に構わないので、原発の処理は合理的にできる機関に任せてほしいと思います。
馬鹿な人々の責任追及をしている間に取り返しのつかない事態に陥るのは避けたい。
そのように考えます。