今日の飢饉
飢饉の特徴
【今日の飢饉】
現代において、飢饉はアフリカ諸国を最も激しく襲うが、進行中の戦争や国家内部の闘争、経済的不安定などを原因として何百万もの人々が苦しめられている、世界的な問題である。The Famine Early Warning Systems Network(早期に飢饉への警告を発するためのネットワーク機構)はチャドやエチオピア、南スーダン、ソマリア、ジンバブエと同様に、2005年７月にニジェールを緊急事態にあると分類した。2006年１月に、国連食糧農業機関は、ソマリア、ケニヤ、ジブチ、エチオピアにいる1100万人の人々が、旱魃と軍事紛争によって飢餓に瀕していると警告した。
多くの人がいまだ、「緑の革命」が飢饉への解決策であると信じている。緑の革命は20世紀にはじまり、その手始めは、実り多くなるように穀物を品種改良することであった。このことは収穫高の向上に役立つだけでなく、生産を安定させることもできるのである。この変化を批判して、これらの新しい多収性穀物は、環境に有害かもしれない化学肥料や殺虫剤をより多量に必要とするという人々もいる。しかし、この方策は飢饉に見舞われる途上国には選択肢になりうるし、これらの穀物はその国の状況に合うように育成されうるのである。これら多収性穀物は世界の人々を養い、飢饉を根絶することを技術的に可能にするのである。それらの穀物は最善の食物を供給するように発達させうるし、そうなれば、人々には栄養がいきわたり、身体もよく発育するだろう。飢饉や栄養不全の問題は、文化的・階級的差異によるだけではなく、我々の持つ科学技術を用いることに関する倫理的板ばさみ状態の結果であるという人々もいる。菜食主義は雑食主義に比べ、同じ資源によってより多くの人々に食物を供給しうる、というのは興味深い視点である。このような食事が飢饉を防ぐのに役立ちうるというのは、少数派の意見である。
