知能が何たら

世間の尻馬にのってエントリ。
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/071019/erp0710190941000-n1.htm

DNAの二重らせん構造を発見し、1962年のノーベル医学・生理学賞を共同受賞した米コールド・スプリング・ハーバー研究所会長のジェームズ・ワトソン博士(79)が「黒人は知能で白人に劣る」と発言し、新著宣伝のため訪問していた英国内で波紋を広げている。

 政治、宗教、人種問題をめぐる歯にきぬ着せぬ発言で知られる同博士は、14日付の英日曜紙サンデー・タイムズのインタビューで「アフリカの人々(黒人)の知能はわれわれと同じという前提で社会政策がつくられているが、すべての知能テストがそうではないことを示している」と発言。「今後10年内に遺伝子が人間の知能に差をもたらしていることが発見されるだろう」などと語った。

 19日に同博士の講演を予定していたロンドンの科学博物館は17日、「博士の発言は科学的論争の限界を超えている」として講演会の中止を決定した。(ロンドン 木村正人)

この件に関して対岸の火事のごとく論議が行われているわけですが、「日本人は優秀だけどな」という前提で他人事として話し合っている観が。
確かに日本人は優秀ですけど、日本が発展していたり失敗国家にならずに生き残っているのは地理的要因やその時々の政治的状況に助けられた面が大きいわけで、今の日本の成功を全部日本人の資質に帰すのは無理があるような。
それに知能のことばかり議論されていますが、文化に関しては触れられないのが奇妙です。
ある国や民族が発展を遂げられないのは文化的な要因の方が大きいように感じるのですが、根拠はなしです。
まあ日本人は昔から優秀な文明を築いてきていますが、優れていると同時に60年前には破滅的な戦争につっこんで滅亡した歴史ももっております。
日本人は優秀であるはずなのに、重要な局面でことごとく愚かな選択をしたことをちゃんと記憶しておくべきでしょう。
現状に問題を抱えていて、その解決策もわかっているのに動こうとしない習性は、今もさまざまなジャンルで見られることですよね。
それは文化の問題だと思います。