ラブクラフトの影響力


H. P. Lovecraft - Wikipedia

大衆文化へのラブクラフトの影響力

ラブクラフト作品のアイデアを元に作品を書くということの他、彼の作品は大衆文化に強い影響力をもっており、現代の多くのホラー、SF、ファンタジー作家たちからたたえられてきた。彼のもたらした影響の多くはそれほど重要とはいえない。というのは、ラブクラフトはかつて創作を通じて名声を得た、「コナン」シリーズのロバート・E・ハワードや「サイコ」の著者であるロバート・ブロックのような多くの作家の友人であり、創造的刺激を与える人物であり、文通仲間であったからだ(このような事実と比べれば重要とはいえない)

後年の多くのホラー小説・映画・絵画のクリエイターたちはラブクラフトに影響をうけていて、クライブ・バーカーやスティーブン・キングといった作家やジョン・カーペンターのような映画監督、ゲームデザイナーのサンディ・ピーターソン、画家のH.R.ギーガー(映画「エイリアン」のデザイン担当)らがいる。ラブクラフトの書いた小説と明らかに同じリアリティで設定された作品を、多くの作家が書いているのである。

ラブクラフトを真似た作品は珍しくない。大衆文化において、クトゥルフ神話を参考にしたり利用したりしている例をもっと知りたければCthulhu Mythos in popular culture(大衆文化におけるクトゥルフ神話)を参照せよ。

ラブクラフトの構築した「世界」は非常に独特で、地球外の生物や環境がそれにちなんで名づけられている(他の創作物中で)。ラブクラフト的なホラーとは、クトゥルフ神話を参考にして作ったものか、単に普通のホラー小説として分類するには奇妙すぎる作品を意味するといっていいだろう。例えば、奇怪な形態、余計にある手足、特異な感覚作用、そして異様な建造物と地勢、などが含まれた作品である。ラブクラフト的ホラーは、主流のホラーや神話体系に登場する人間型・擬人的なデザインとは正反対の位置にある。

また、ラブクラフトは「コズミシズム」(宇宙には神は存在せず、人間は宇宙の中で非常に矮小な存在であるという、ラブクラフトが創作した考え。Cosmicism)という哲学を考え出し、彼自身の作品のほか、ダグラス・アダムズの「宇宙へのヒッチハイク案内」やジョン・カーペンターの「狂気の口中で」、「永遠の闇:正常な精神への葬送曲」といったゲームなどの多くの作品中に反映されている。

ラブクラフトメタリカ(世界的に有名なロックバンド)にも多大な影響を及ぼしており、「The Thing That Should Not Be」(存在すべきでないもの)や「The Call of Ktulu」(クトゥルフの呼び声)が関連している。(前者の曲はアルバム「Master of Puppets」、後者の曲はアルバム「Ride The Lightning」に収録)