環境・生態系の側面からみた帝国主義
- 作者: アルフレッド・W.クロスビー,佐々木昭夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1998/04/24
- メディア: 単行本
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めちゃ面白かったです。
ヨーロッパにおいて、多数の人間や家畜と農耕しながら密集して暮らすと、人間同士や家畜との間で病原菌・ウイルスの交換が行われます(伝染病が蔓延するとか)。
そうすると免疫的にそこにいる人は強化人間になるのですな。
そういう人々がユーラシア大陸から隔絶した島や新大陸に上陸すると、はしかやインフルエンザのようなどうってことない病気でも現地の人々に怖ろしいほどの激しい症状を引き起こします。
天然痘みたいな病気なら尚更。
そうなるとそこにいる人々は死亡率3分の1とか2分の1とかいう高率でばたばたと死んでいくことになります。
新大陸にヨーロッパ人が本格的に上陸した時には、元は何十万人もいた筈のインディオの土地が既にがらがらの状態だったそうで、先駆けて上陸した少数のヨーロッパ人から病気が蔓延していたのではないか、とのこと。
現地人がいなくなった広大な土地を余裕をもって占拠していくことができたそうな。
これはまあ、もし日本人が当時の新大陸に上陸していたら同じ現象が起きたでしょうな。