ブログで自分を語ること。

ブログには自分のことを書くな、という意見が散見されるようになりましたが、これには疑問を持ちます。
自分について語るのはやくたいもないから止めろ、という趣旨なのだろうと思いますが、自分について書くのを止めてしまうとブログの特性がひとつ失われるように思います。

周囲の役に立つもの、つまり役に立つ情報や面白いお話を提供するサービスをブログでも素人が展開しなくてはならないとすると、雑誌や本との区別はどこにあるのか、ということです。

役に立つことを仕事として書いている人はこれまでにも大勢いたのですが、そのような文章には内容や書き方に、ある程度の水準のスタンダードがあって、そのスタンダードはある種の限界でもあったわけです。

内容や書き方に標準があって、役に立つサービスである文章を読むのに一番いいのは教科書だったりしますし。
(自分は国語の教科書や副読本を読むのは好きでしたが)

それがブログは素人がタダで提供する文章ですから、「なんでもあり」でいいので、片思いの内心でも失業の鬱屈でも世間への不平不満でも自由に登場してきたということです。

ブログの登場によって周囲にはあまりいないタイプの人の内心や、いても聞けそうになり感情生活の内容などを眼にすることができるようになったわけで、これは自分を語ることの効用でしょう。

日常生活では話せないし、聞いてももらえないだろう事柄でも、ブログで非常に広い範囲に語りかければ、読みたがる奇特な人間にもあたるのです。

自分などはその奇特な人間の一人で、欝な人や失業している人やフリーターやニートの自分語りを進んで読むことが割りとあります。

趣味ですから何かの役にたっていると思い当たるわけではありませんが、どっちみちブログを読むのはタダですから、気に入らなければ読まなければいいだけの話で、ネット上に個人的などうでもいいことが書かれて転がっていても別に邪魔には思わないということですね。