国債増発よりマイナス金利拡大


マイナス金利を無理やり批判している記事をまたもや発見。
こういう記事ってやはり、銀行が書かせているんでしょうね。
日銀のマイナス金利政策が窮地に - WSJ
金融政策に対する無理やりな批判はたいてい矛盾したものになりますが、この記事もそうです。
日銀が買い入れる資産が足りるとか足りないとかいう話が2年前くらいからちらほら見られますが、日銀や政府の側は「問題ない」としているのでどちらが本当かよく分かりません。
ただ、この記事にあるような、「利回りに下限を設定する」というのは逆効果ですし、白川前日銀総裁がやり始めた政策の蒸し返しになるのでよくありません。
買取資産の不足があるとして、考えられるのは国債の増発かマイナス金利の拡大です。
私はマイナス金利の拡大の方が良いと思います。
マイナス金利を拡大すると国債の価格が上昇しますから、日銀のマネタリーベース目標に到達しやすくなります。
国債を増発すると使い道が問題になりますが、適切な使途に制御するには政治力が必要になるので面倒。
また、2012〜2013年のアメリカのように、景気は良くなり始めるとわりとすみやかに好転するので、増発計画をたてたにも関わらず、それほど買取が要らなかった、という事態になる可能性もあります。まぁ年間10〜20兆くらいの増発でしょうから、それほど問題になるほどではないと思いますが…
財政政策にはこのようなラグがつきものなので、安定化には向いていないという意見もよく見られます。