「緊縮財政」と「リセッション」でなぜか税収増

世の中には不思議なことがあるものでございますな。
「緊縮財政ではGDPは増えない」などとまことしやかに語られているにも関わらず、リフレ派ないしケインジアンの視点からは「緊縮財政によるリセッション」にある2015年の税収が上振れする見込みであるとか。
ほんまかいな。

[東京 1日 ロイター] - 2015年度の国の一般会計税収は56兆円台に乗せる見通しだ。企業業績の伸びを踏まえ、政府が近く当初の見積もりを上方改定する。
【略】
国の税収が56兆円台となるのは1991年度以来、24年ぶり。財務省が企業の9月中間決算などをもとに精査した結果、前年並み(1.7兆円)の増収が見込まれるとの判断に傾いた。主に所得税法人税の伸びが寄与するとみられる。
15年度当初予算を策定した今年1月時点では、税収を54.5兆円と想定していた。上振れした税収は15年度補正予算案の財源とする。財源には税の上振れ分に加え、14年度予算までの使い残しなどを充て、新たな借金(国債発行)に頼らず、14年度補正予算(3.1兆円)を超える財源の確保にめどを付けた。

まだ見込みに過ぎないので実現するかどうか分からないのでしょうけれども、このまま堅実に財政再建を続けて欲しいものであります。
安倍政権が始まってから5兆円ずつくらいプライマリーバランスが改善されていますので、6年あれば均衡します。
焦る必要はないと思いますので、このペースを継続していただき、リフレ派の体面のために数兆円も無駄遣いするなどということが無いよう、お願いしたいと思います。
このニュースにあるとおり、「緊縮財政」でも名目GDPは拡大しますし、歳出削減しても経済が拡大することは、アメリカとイギリスが現在進行形の実例です。
特にアメリカは歳出のGDP比も日本より低いですから、変化の面でもレベルの面でも明らかに「緊縮財政」です。ケインジアンが何とごまかしているのか知りませんが・・・
今度の補正予算国債に頼らず、3兆円台に抑えるとのことで、良い判断だと思います。
もともと財政政策は景気改善にはあまり関係ないので、これ以上出す必要はありません。
ただ、金融政策はしっかりやってほしいと思います。
そこが疎かになると、「景気拡大と財政再建の両立」というベストな政策が滞ることになります。