クルーグマンの教科書も認める最低賃金の有害性
クルーグマンはインタビューやコラムでは政治性を帯びた変なことを言うので敬遠気味でしたが、今回はじめて教科書を読んでみました。
- 作者: ポールクルーグマン,ロビンウェルス,Paul Krugman,Robin Wells,大山道広,石橋孝次,塩澤修平,白井義昌,大東一郎
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2007/09/01
- メディア: 単行本
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普段は政治的に、教科書では標準的に、と使い分けているわけで、これが世渡りのコツなんですね。
下限価格規制
最低賃金制の有害性としてクルーグマンが挙げる具体例はこんな感じ。
- ファストフードの店長が従業員をクビにして、自分の息子を代わりに使った。(タダで、という意味でしょう)
- 最低賃金を上げると職が少なくなるので、職探しが長期化する。
- 非合法な仕事がはびこる。
- 政府の検査官に賄賂を贈る。
- 若年労働者の失業が発生する。
- 一定以上の事業所に最低賃金規制がかかるため、規制を避けるために零細企業が増加する。(非効率になるでしょうね)
こんな感じ。
ほかの教科書と本質的に同じですわ。
読んでみて思ったのは、日本にはクルーグマンのファンが数多いて、クルーグマンによる最低賃金上げの政治的言説を信じ込んで飛びついていたりするので、「きっとクルーグマンの本しか読んでいないからなんだろう」と考えていましたが、私は間違っていましたね。
彼らはクルーグマンの教科書すら読んでいません。
クルーグマンは日本では芸能人と看做した方が良いのでしょう。