最低賃金は生活保護を代替しないし、低所得者対策にもならない

リフレ派はいつまでクルーグマン依存を続けるのでしょうか。みっともないですよ。
最低賃金を上げると生活保護から抜け出て労働市場に参加する人が増える、という見解がありますが、まったく賛成できません。
マンキューが述べるとおり、最低賃金を受け取る層の大半はバイト学生のような小遣い稼ぎの人たちなので、最低賃金をあげて労働市場に参加してくる人の大半も、特に働かなくても良い人たちです。
最低賃金に頼って生活している貧しい人たちは、以前よりも狭き門になった職を生活に余裕のあるバイト学生やパート主婦と争わなくてはならなくなります。
貧しい人のために門戸を広げるなら、むしろ最低賃金を下げて、バイト学生やパート主婦が、「家で寝ていた方がマシ」と思うように仕向けるほうが良いです。
最低賃金が低くて生活保護水準の収入に足りなければ、差額だけ生活保護からもらえば良いだけの話ですし、そういうことができなければやりやすいように構造改革するのが貧困者対策なのだと思いますが、安倍政権はそういうところには関心が薄いですね。
また、最低賃金を上げるのが働く世代の低所得者対策になるという見解もありますが、同じ理由で賛成できません。
最低賃金を上げるとその職をめぐる競争が激しくなってしまいますし、機械に代替されやすくなりますし、景気後退の際には解雇されやすくなります。
逆効果です。
そして、最低賃金の引き上げが、全体の賃金引き上げを狙っているという見解もありますが、これは意味が不分明です。
最低賃金を引き上げても、もともとそれ以上の賃金をもらっている層には何の関係もなく、賃金も上がりません。
賃金総額が上がるということかもしれませんが、失業が発生すると賃金総額が上がるとは限らないので、全体の賃金引き上げになるとは限りません。
根本的に、最低賃金引き上げについて、状況によってはやってもよいと考えていること自体が間違っているのであって、クルーグマン以外の教科書を読むことをお勧めしたいと思います。
世の中にはクルーグマン以外に優れた経済学者が大勢いるにもかかわらず、いつまでたっても、手のひら返しされても、クルーグマンクルーグマン言っているようでは、クルーグマン以外読んでないのか、と言われてしまいます。
クルーグマンだけ読んでも経済は分かりません。