「最低賃金1000円」に反対する
最低賃金制が有害であることは経済学の教科書的常識ですから、大学の授業では普通に教えられているようなことだと思うのですが、安倍政権がやたらと最低賃金を上げることに熱意を持つようになったのは、消費増税の目くらましと労組票の獲得なのかもしれないと思うようになりました。
そう考えないとあまりにも不自然であります。
教科書に載る内容はその学問分野で標準的なものだと思うのですが、経済学の場合、標準的な内容でも学者自身が平気で真逆のことを言ってしまうので、部外者からは訳がわからないことになります。
理系の人から、「経済学って本当に科学なんですか?」とバカにされることがあるそうですが、バカにされても仕方ないと思います。
経済学が体系化に際して参考にしたといわれる物理学の分野で、物理学者が突然教科書と真逆の内容を主張しだし、実際に何かを造るときにも教科書とは真逆の理屈で造れと言い出すことは有り得ません。
「ボールを投げるとたまに空に向かって上昇していきます」などと物理学者がいうことは金輪際ないですが(精神を病んでいるのでもない限り)、経済学者はしばしばそれに類することをいいますから、世間のけっこうな数の人が経済学を胡散臭がるのも当然であります。