消費者を犠牲にして酪農家を守る意味があるか


酪農はもともと日本の伝統農業ではないので、コメのように屁理屈を捏ねて守ることはできないと思いますが…
全文表示 | バター不足騒動「本当の理由」 消費者には見えないカラクリはこうだった : J-CASTニュース
バター不足が発生するのは政府が輸入規制をしているからだ、と書いてある点で、この記事は良いほうなのですけれども、最後の方で変な感じになってしまっています。

もしも、政府がバターの関税を下げて自由貿易とすれば、海外から安価なバターが輸入され、バターの品不足は解消されるだろう。しかし、日本の酪農が壊滅的な打撃を受け、バターやチーズだけでなく、私たちが飲む日々の牛乳が外国産のロングライフミルクなどになり、新鮮な牛乳が飲めなくなる可能性さえある。

外国との競争で簡単に採算がとれなくなってしまうのは、規模の拡大や企業化などの効率化が足りないからだと思いますし、もしかしたら酪農家の数が多すぎるのかもしれません。
漁業と共通するのかもしれませんが、漁師さんや酪農家の数そのものが就労者の中で少ないとしても、国内の需要や自然の回復力などと比して多すぎる、ということは十分に考えられると思います。
日本は人口減少社会なので、日本から世界と競争するのに向かない産業からは手を引いて、他の産業に労働力を振り向ける方が良いように思います。
漁師さんや酪農家の数自体が大勢いる必要はなく、日本の食卓に必要な魚や乳製品が確保されて、漁師さんや酪農家も採算がとれるバランスになった方がウィンウィンだと思うんですけど。
また、上記記事の中で引っかかったのが、「私たちが飲む日々の牛乳が外国産のロングライフミルクなどになり、新鮮な牛乳が飲めなくなる可能性さえある」と微妙に危機感を煽る感じで結ばれていたことなんですが、こういう文章を読むと、ロングライフミルクとやらが怪しげな食品に思えてしまいます。
しかし、ロングライフミルクは日本でもふつうに売っています。
賞味期限を4倍長くする魔法の牛乳パック | 食品 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
ロングライフ飲料|デーリィ南日本酪農協同株式会社
外国の人たちは何の問題もなくロングライフミルクを飲んでいるのですから、酪農の伝統のない日本人がそれを飲むのはむしろ、そちらの方がふつうのような気がします。
牛乳は生活必需品というわけでもないので、いまあるような牛乳でなくても何の痛痒もないと思いました。