地方に行くと介護人材がいるらしい

本当に根拠があって言っているのかどうか怪しいもんですけど。

<東京圏高齢者>移住促進を 25年、介護人材90万人不足
毎日新聞 6月4日(木)21時43分配信
試算を踏まえ、創成会議は、今後の医療や介護の需要・供給見通しを東京圏全体で共有する必要があると指摘。さらに、40年には医療や介護を支える体制が崩壊しかねないとして、高齢者の移住を促すため、移住費用の支援や「お試し移住」の導入などを提案している。
【略】
ただし、国が進める在宅医療・介護分については「データ整備が進んでいない」として考慮していない。
 日本創成会議は昨年5月に「消滅可能性都市」の一覧を公表している。

この記事は矛盾していますね。
地方に「消滅可能性都市」があるなら、介護人材もいないんじゃない?
お年寄りばかり集めて形だけでも地方を維持しようということでしょうか。
この不自然な提案を読んで連想したのがEUでした。
EUはその圏内で人々が自由に移動することを想定して仕組みが作られたのですけど、昨今の経済危機で明らかになったように、うまく機能していません。
ドイツやアメリカへの人材流出は起こっていても、その規模が十分でないからこそ、たとえばスペインなどでは失業率が異様に高くなっているわけです。
移動する仕組みがあったとしても、言語や文化の壁がある以上、そう簡単には移動してくれません。何らかのメリットがあって自発的に動くときにだけ動くということでしょうし、まぁ常識的な話であります。
単に会社や業界を行き来することですら、よい条件がそろわなければ人はなかなか動きません。だからこそ、移動を助けるための仕組みが考えられているわけで、「動いていいですよ」と言われただけでは、損する可能性がある以上、動きたくないのは当たり前であります。
そういう意味では、「年寄りがいなくなってくれれば色々助かるから」というご都合主義に従って、人々が動いてくれると考えるのは安直というべきものでしょう。
創生会議のこの提案は、ちょっと前に渋谷区が行った、ホームレスを他の区に追いやる施策をも連想しました。面倒なものを他人に押し付けたいだけなんじゃない?