民主党と三橋貴明の言い分がそっくりである不思議

言い分がそっくりであるのみならず、言い出すタイミングも揃っている不思議。
民主党前川清成と岩田副総裁のやりとりを書きおこして下さったエントリがこちら。
岩田副総裁に「潔く辞職すべき」と言った議員が経済学わかってな杉て吹いたw(「4月23日参議院財政金融委員会」全文文字起こし) : おもしろいインターネット
岩田副総裁の答弁は勉強になりますので、そちらを見ていきましょう。

  • 2014年7月には消費税の影響を除いて、実際に1.5%まで物価上昇していたが、消費増税の反動減や原油価格の低下で物価下落した。
  • 銀行貸出は前年比2%の伸び、マネーストックは3%の伸び。
  • 原油価格が半年で5割下がり、ユーロ圏・アメリカでも物価上昇率はゼロかマイナス。
  • インフレ目標が達成できなかったときに果たすべきは説明責任であり、説明責任が果たせなかった場合の最高の責任の取り方は辞職である。その考えに変化はない。
  • 中国からの輸入が増えるといった、世界的に共通した現象があっても、デフレになっていたのは日本だけであった。中国発デフレ論は言い訳である。
  • 原油価格が下落するといった、世界的に共通した現象で、実際に世界的に物価は下落している。これは合理的な説明である。(maddercloud注釈:つまり、説明責任は果たせている)
  • 原油価格の急激で大幅な下落を想定して金融政策を組むと、政策は大幅に変わってしまう。(maddercloud注釈:不適切である、ということでしょう。)

岩田副総裁が提唱してこられたのは、「伸縮的インフレ目標」であります。
アベノミクス開始以前の著作で述べられていることですので、疑う人は確かめてみましょう。

デフレと超円高 (講談社現代新書)

デフレと超円高 (講談社現代新書)

伸縮的インフレ目標の視点から言えば、原油価格の低下によってインフレ目標が達成できなくても、特に問題はありません。
原油価格低下のような「供給ショック」に目配りしているのが伸縮的インフレ目標だからです。
私は岩田副総裁が提唱されてきた伸縮的インフレ目標を支持していますが、一方で浜田参与による、「物価にこだわりすぎなくても良い」という意見にも同調するのは、伸縮的インフレ目標に賛成する立ち場からも、大した懸隔がないからであります。
ただ、予想を重視する立ち場からは、やはりインフレ目標を設定する方が良いと思いますし、目標は高めの方が良いと思います。