黒田総裁の発言が危険領域に

日銀総裁にこういうことを言わせているようじゃ、消費再増税はほぼ確定、金融政策の活用もこれ以上はなし、ということで、日本経済の先行きは萎んでいきますなぁ。
財務省は景気を良くしたくない、というのは本当なんですね。景気を良くしてしまうと増税できないもんね。

[東京 8日 ロイター] - 日銀は7─8日の金融政策決定会合で政策の現状維持を決めた。景気判断も「基調的には緩やかな回復を続けている」との従来判断を据え置いたが、項目別では輸出と生産の判断を下方修正した一方で、雇用・所得の判断を小幅引き上げた。
黒田東彦総裁は会見で、物価が想定通りであれば政策の現状維持を継続する姿勢を示唆すると同時に、イラクウクライナなどの地政学リスクは「高まっている」と注視する姿勢を示した。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0G812I20140808?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29&sp=true

変なことを言っている自覚は黒田総裁にもあると思いますが、日銀が見ているコアCPIにはエネルギー価格が入っていますから。国際情勢の緊迫化で原油価格が上昇すると、「物価は安定」しちゃいますね。

今後成長率が下振れたとしても、物価が想定通り推移していれば、追加緩和は必要ないのか、という質問に対して、黒田総裁は「あくまで日銀の政策目標の第一は物価の安定だ」としながらも、「消費者物価の動きだけみているわけではない」と言明。「物価に重大な影響を与える要因に動きがあり、目標達成にリスクが生じてくれば、当然金融政策の調整は行う」と述べた。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N9ZC6N6K50XV01.html

こちらは曖昧な物言い。
消費者物価だけを見ているのではない、という発言は、他の物価を見ているという意味なのか、名目GDPや実質GDPを見ているという意味なのか分かりません。
こういう曖昧さを許してしまうのはインフレ目標の短所ではあります。