低金利でも金融緩和ではない
「金利を低めるのが金融緩和」という考え方はよくある間違い。そう言える場合もあるし、言えない場合もあります。
https://min-fx.jp/if/market/kinri/if_kinri/
リンク先のグラフを見ると分かるように、小泉時代〜リーマン・ショック後まで、そして現在のアベノミクス期に至るまで、日本の政策金利は低いまま。
それに引き換え、インフレ目標導入後の20年間、不景気がないと言われているオーストラリアの金利の「高い」こと。景気が良いから金利は高くなるのです。
また、「カネを出しているから金融緩和」という考え方も間違い。
不況を脱するのに必要なだけカネを出していないなら、それは引き締めです。
某芸能人は、この辺の解釈でもやっぱり間違っています。
独国債金利が1%ラインに近づき、インフレ率が低迷しているということは、要するにユーロ圏で「総需要の不足」が起きているという話です。とはいえ、ユーロ諸国は政府主導で総需要を高めることはできません。ECBは金融緩和を続けるでしょうが、お金は結局、ドイツ国債などの安全資産に流れ、「金利低迷すれども、総需要増えず」な、どこかで見たことのある袋小路にはまり込むと思います。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/
ECBは金融引締めをしているからダメなんで、その辺はクルーグマン教授も指摘しているところ。某ってケインジアンじゃなかったのかね。
そんでもって、またも「名目と実質を意図的に混同」しています。某がここで書いているのは名目金利の話で、クルーグマン教授も重視するのは実質金利です。某ってケインジアンじゃなかったのかね。
某ってケインジアンじゃなかったのかね。
話は変わりますけど、労働力方面。
「域内」の失業率にここまで「差」があると、当然ながら高失業率の国々の失業者たちは、低失業率の国々に職を求めて流れていきます。これが「国内」であれば、欧州諸国の場合は、
「だから、何」
で、済む話なのですが、何しろユーロ圏の各国は「各国」です。異なる国から、異なる民族、異なる言語、異なる文化、異なる伝統、異なる価値観、異なるライフスタイルの人々が続々と職を求めて国境を越えてくる(パスポートの検査すらなしに)。ドイツやオーストリアの労働者は、自分たちよりも安い人件費でも喜んで働く「異なる国の人々」と競争を強いられるわけでございます。
労働市場における競争が激化すれば、当然ながら実質賃金は下がります(ドイツすら下がっています)。実質賃金が下がれば、
「国際競争力(=価格競争力)が高まるから、いいではないか」
と、経済学者や大企業の経営者たち、さらには経済学に染まった政治家や官僚は言うのでしょう。
某がユーロ圏問題を分かっていないことが良く表れている部分なのですが、ユーロ圏では辺縁国からドイツやアメリカへの頭脳流出・労働力流出が起こっていると言われていますが、それが本格的に出来るのなら、むしろ問題は軽減されるのです。
だって辺縁国が困っているのは高い失業率なのですから、労働者がどんどん他国に移動してくれれば失業問題が軽くなるじゃないですか。
実際には、EUといえども言語や文化の壁があって、労働者が思うように移動してくれないから大変なことになっているのです。
事実、失業率は高いでしょ。
「高い失業率が問題だ」と書いておきながら、「労働者が周辺国に流出して問題だ」と直後に書いてしまうあたり、モノを考えて2秒くらいで早くも矛盾して気づかない、某の特徴がよく表れています。
また、ここでも「実質賃金を下げて国際競争力強化」などとバカなことを言っていますが、為替レートの影響の方がはるかに大きいのでそんな現象は起きません。
実際、日本では15年デフレで賃金が低下しましたが、国際競争力は高まりませんでした。そんなことを言っている経済学者なんぞ存在しません。
そして、某はついに経済学を否定しはじめているのですが、某ってケインジアンじゃなかったのかね。
某の書いていることは昔からムチャクチャですが、この頃の記事は支離滅裂ですな。
こういうものを「理解する」ってどうやればいいんでしょうか。