消費増税反対におけるバランス感

左翼は安倍政権全面否定を繰り広げるべく、入念な準備をこの夏に行うことでしょう。
「愛国保守」はアベノミクスの主要部分を全否定するべく、「新自由主義」がどうの、「小泉・竹中」がどうのといった寝言同然のデタラメを垂れ流し続けることでしょう。
こういう状況で安倍政権を理性的に支援できるのはリフレーション政策しかなく、左翼・右翼がわめきたてる下らないイデオロギー闘争から一般国民の目を逸らさなくてはいけません。
しかし、左翼・右翼・リフレ派が共通して反対し、安倍政権を追い詰めかねないテーマがあり、それが消費再増税であります。
消費増税が経済に打撃を与えるのは事実であり、反対するべき問題であるのは確かなのですが、リフレ支持者が反対する理由と左翼・右翼が反対する動機は違います。
リフレ支持者は経済政策における経験則や理論に基き、日本経済の行く末や一般国民の福利を思いやって消費増税に反対するのですが、左翼・右翼が反対する動機は、政治的なものです。
連中にとって消費税は道具にすぎず、反対に利用できるネタがあるならデマでもウソでも構わないのです。
国保守が「反移民」を安倍政権否定を目論んで掲げ始めたことにそれは見て取れます。移民政策採用が既定路線であるかのようにがなり立てるデマゴギーであります。
こういう状況をふまえると、この秋の消費増税反対論には工夫を凝らす必要があると思います。
正しいことを主張する立場からいえば、昨年同様に消費増税反対を貫くべきではありますが、安倍政権の様子を見ていると、どうも財務省自民党増税派・公明党の結託した意向には逆らえそうにありません。
増税はまだ決まっていない」と一応は発言していますが、弱々しい限りです。
現実的にどうしようもなく消費再増税を安倍政権が決めた時に、左翼・右翼・リフレ派がいっしょになって批判を繰り広げると、その他の「左翼祭」が同時進行しているであろう状況を想定するなら、政権が倒れる危険性が出てくるのではないでしょうか。
アベノミクスの推移には不満がたくさんありますが、安倍政権以外には相当程度まともな経済政策を遂行できる政治勢力が存在しません。
みんなの党には可能だと思いますが、党自体が保つのかどうか危うい状態です)
正しいことをしようという一心で、一般国民にとっての唯一の希望である安倍政権を倒してしまったのでは元も子もありません。始末の悪いことに、一般国民は安倍政権が一縷の望みなのだということを理解しておりません。
こういった事情を分かっているのは現在の日本ではリフレ支持者だけであります。
消費税への反対という節は曲げず、安倍政権は支持し、経済の悪影響を防ぐ代替案を主張する、という智慧が求められているのでありますし、それができるかもしれないのもリフレ支持者だけであります。
左翼・右翼には不可能な、バランス感覚と知性の発揮がこの秋には必要になりますよ。