【アベノミクス】2013年、希望は甦った。【リフレーション】

現在のコアコアCPIは0.6%。変動の大きな生鮮食料品とエネルギーの価格を除いた物価が、マイナスを抜け出し、上昇率を上げています。
リフレーション智慧の光が、我々の頭上を覆っていたデフレの闇に亀裂を入れ、金属性の重い軋みを上げさせながら押し広げています。
株価上昇率は世界最高の57%。
大納会も最高値で有終の美を飾るというおまけ付き。
株価が上昇することは、決して「一部の人たちしか関係ない」ことではありません。

  • 資産効果…財産が増えた人や企業が消費や投資をします
  • バランスシート改善効果…企業はさまざまな株式を保有しているため、株価上昇によりバランスシートが改善し、銀行から信用されやすくなることによって借り入れが楽になります。
  • トービンのq…企業の設備投資を促します。


株高になれば、世間の多くの人々にポジティブな影響があるのです。
ドル円については、アメリカの量的緩和縮小がタイミングよく発表され、円安要因です。今は105円近傍になりました。
日本の経済構造は円安に有利なようにできており、やはり各種の好影響が出ています。

  • 輸出の受け取りの増加
  • 全輸出企業が黒字を継続的に確保…91円あればこの状態になるようです。現在はもしかしたら、コストが増えているかもしれませんが、大した影響はないでしょう
  • 人々が国産品を買うようになる…円安になると輸入品価格が上昇するため、「同じ価格なら国産品を買おう」とか「国産品の方が安いから買おう」という消費行動を促します
  • 外資産からの受け取り増加


「円安でも輸出が増えていない」ということをネガティブな要素として語る人が大勢いますが、間違いです。輸出が増えるかどうかは海外の景気にも影響されますし、もしかしたら国内で消費が好調になってきたから輸出に回らないのかもしれませんし、「悪いもの」と決めつけるのは速断です。
根本的に、「貿易赤字は悪い」とか「円安で国際競争力をつける」という発想が誤りなんですね。そろそろ学ぶ時期だと思います。

体経済の好転

これら資産市場による牽引で、実体経済も継続的に良くなっています。
有効求人倍率が6年ぶりに1倍になり、非労働者人口も減っています。「お、仕事がある。働こう!」という人たちが増加しているのです。
働く人の増加を受けて、「非正規雇用の増加だからダメだ」とくさす向きもありますが、非正規雇用からスタートでいいのです。
「非正規雇用の期限を切らない」という政策に対して「非正規の固定化だ」と叫ぶ人は、「転職」という言葉を知らないようです。
非正規で働き始めたとしても、正規雇用されたければ転職する自由はあるのであって、「奴隷化」なんて喩えはとんでもない、政府が転職を禁止することなどできるわけがないではありませんか。
「そんなにたやすく転職なんて出来ない」という貴方、考えてみてください。
「非正規を3年、5年で雇い止めしなければならない。非正規の固定化を防ぐために」という世界で転職しようとすると、「雇い止めされた失業者がいる状況」で仕事を探さなくてはいけません。
それに対して、「非正規をいつまでも雇っておいて良い」という世界では、「3年5年で法律によって強制的に失業させられる人たち」がいません。そのような世界で転職しようとすることは、「失業者が常に発生する世界」でよりも不利でしょうか、有利でしょうか?
マスコミや共産党の扇動に惑わされず、規制緩和を支持する経済学者の主張を調べてみることが大事です。

図して事態を好転させていること

これまでの経済政策と違うアベノミクスの珍しさは、「良くすると意図して、実際にそれを実現している」ということでしょう。適当にやってみたら運良く当たった、しかしどうなるかもやはり運次第、という従来の日本の政策と質的に異なる点です。
アベノミクスの第一の矢である「インフレ目標+量的質的緩和」は、過去の成功した事例という根拠に基いて、そしてもちろん経済理論にも基づいた洞察があって実施されています。
それが成功しているということは、現在の好調が来年以降も継続される可能性が高いことを意味しています。
論理的に考えて行動することが何故か忌避されたり、学者や学問が「浮世離れしていて使いものにならない」というニュアンスで馬鹿にされたりする風潮のある日本において、アベノミクスの成功は稀なものであります。
智慧と意志の邂逅。
良い意味で「空気がよめない」各界の人々の連携により、反知性の村社会ウォールが打破されていきます。