池田信夫の安倍総裁批判 4

集中豪雨的批判ですね。異様なものを感じます。

2012年11月18日 16:41 経済
安倍晋三氏のためのインフレ入門
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51825049.html
たぶん安倍氏は、次のように考えていると思う。
物価水準はマネーの量を物の量で割ったものだから、物の量が変わらないときマネーを増やせばインフレになる。
デフレが続いているのは、日銀が思い切ってマネーの量を増やさないからだ。
3%のインフレ目標を設定し、物価上昇率が3%になったところでマネーを増やすのをやめればいい。
日銀がやってもだめなら、政府が公共事業でマネーをばらまけばいい

池田信夫の巧妙なところは、論議の最初に自分の都合の良い想定を自然に置くこと。
自分の主張を読者が正しいものと感じるような仕掛けを隙無く設置します。
上の想定は池田氏の想定であって、安倍氏がそう考えている証拠は何もありません。
単に「いいえ、そうは考えておりません」と言われた瞬間に瓦解しますが、池田氏の目的は批判対象者へのレッテル貼りなのですから、マイナスイメージを先手を打って広めること自体が目標なのです。
とにかく、初めに示した想定が安倍氏の考えではない以上、それ以下の池田氏のご高説も独り言にすぎません。シャドーボクシングです。

安倍氏のいうようにインフレが起こって財政が破綻しない可能性もゼロではないが、それを期待して国債を日銀に引き受けさせるのは、財政破綻のリスクを取る危険なギャンブルである。それが成功したとしても、3%のインフレのメリットは財政が崩壊するリスクよりはるかに小さい。

この日のエントリでも逃げ道は確保しています。大事なことです。
重要な前提として、日本はまだ国債を国内で消化することができていますから、日銀に国債引受させるのは財政支出を賄わせるためではありません。
あくまでもデフレ脱却のための政策です。
市場関係者はその辺のことをよくわかっているのですから、彼らの予想がハイパーインフレに傾くことなどあり得ません。
それにインフレ目標は上限も最初から設定されているのですから、天井知らずのインフレを予想する人などいるわけがないのです。
で、いつものことですが「日銀が国債を引き受けると財政が破綻する」という辺りのつながりが全然見えません。
筋道を説明してください。